とある休日/駅/峠野颯太

彼氏がいない期間が、というか恋愛してない期間があまりにも長すぎて、最近はとうとう2次元にそういう目を向けるようになってきてしまいました。もともと2次元は好きだったけれど、乙女ゲーム系は避けており、アニメや漫画の作品も、あくまでキャラ同士の絡みとストーリーが好きなだけで、私はあくまで第三者として考えていました。しかし、気づけば「私も○○にこんなこと言われたい」と、私を作品と関連付ける思考回路が生まれつつあるのです。

これは危ないな、趣味に没頭しすぎたかな、3次元にもっと触れなければと思い、いつもならば家に引きこもる休日に、横浜に買い物に行ったんですね。しかし、日曜というイベント大量発生デーに横浜に一人で出た私がバカでした。
まずはカップルだらけ。視界の何処かに必ず潜むカップル。探さなくても見つかるカップル。「ウォーリーを探せ!」を見習って、もう少し隠れて欲しい、切実にそう思いましたね。別に嫉妬したわけじゃないんですよ。なんていうかね、あいつら本能に負けてどこでもベタベタするでしょう?あれが堪らなく気持ち悪いんですよ。一度エスカレーターで前後をチューするカップルに挟まれた時は、木刀でも振り回したくなるくらい不快感が半端じゃなかったです。

その次に多いのが家族。日曜はパパが休みだから家族揃ってお出かけするんでしょうね。非常に微笑ましい。だけど、同時に私の心を抉ってくるんですねコレが。
「暖かい家族が欲しい」という、私の夢を彷彿とさせてくるんですよ。でも叶わない可能性が高いという現実に打ちひしがれる、という、実に面倒くさい心の葛藤をいちいち感じなければならない。もういっそ私をその輪に入れてくれませんかね、と話しかけたくなるレベルでした。

結局、買い物もそう捗らず、やっぱり2次元に、と思いながら駅で電車を待っていると、非常に好みの見た目の男性が隣に並びに来たのです。思わず小さく叫びそうになりましたが、どうにか理性が勝ちました。チラチラと見てはバレないように目線を逸らす。あぁ、このスリル感懐かしい、キャラが何らかのピンチに追い込まれる時よりもずっとドキドキする……と、浮き足立っていました。

到着した電車に乗り込み、彼の隣に座ってみました。周りから見たらカップルだったりして、と言った非常に気持ちの悪い、馬鹿を露呈するかのような妄想に走っている私。走り出す電車。私の恋も走り出す!
と、電車が発車してすぐ、彼のスマホに電話がかかってきます。まさかと思うが出る気では……

不安は的中し、スマホを耳元に近づける彼。
「もしもし」







その声はどう聞いても女性の声。
何と私はとうとう女性にもときめくようになってしまったのでした。よく見たら、ロングスカート履いてるし。恋は盲目、よく言ったものです。

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「とある休日/駅/峠野颯太」への1件のフィードバック

  1. 最後、魅力的な男性に惹かれたのか、男性も女性も関係なく惹かれるようになってしまったのか、はっきりしない。仮に女性に魅力を感じるようになって、それを常軌を逸しているようにネタ化するのは、今の世の中面倒な配慮が必要になってくるだろうな、と思う。

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