MC:今日のテーマは「初恋」ということで、Jさんと話しをしたいと思います。よろしくお願いします。
J:よろしくお願いします。
MC:それではまずJさんの初恋についてお聞きします。その時の状況から少し話を膨らませられたらと思います。
J:うーんと、それまでもなんかあったかもしれないですけど、たぶん中3の時かなと思います。同じクラスの子だったんですが、全然話したこともないし、初めて同じクラスになった子でしたね。
MC:というと一目惚れみたいなかんじですか?
J:いや、そうではないです。同じ塾に通っていたのは知っていたんですけど、ほんとに全然話したこともなくって。多少仲良くなったきっかけは数学だったんですよ。一応受験生だったし。たしか2次関数の座標を求める問題。机の上にプリント置いてあって誰のだろう?って眺めてたらその子のもので。それでこの問題わかりますか?って聞かれたから解いたっていうのが覚えている限りの最初ですね。
MC:なんかインテリジェントな出会いですね。敬語のところになんか距離があるのがなんとも微妙ですね(笑)
J:そうなんですよね。自分もぶっちゃけあまり女子と話したことがない人間で、相手もそんな感じで。そのあとは専ら携帯でちょくちょく連絡とってました。学校だとなんか小っ恥ずかしいんで。
MC:なるほど。ではその後は順調に発展していったわけですね。
J:発展というほどのこともないですがその時は友達が一人増えたくらいでしたかね。メル友くらいな感じ。メールし始めの時は何とも思ってなかったのですが徐々に楽しくなってきて、この人こんな人だったんだって思うようになったんです。そうこうするうちになんだかこの気持ち悪い関係が嫌だなと思い、自分からアプローチして付き合うことになりました。
MC:友達から発展したパターンだったわけですね。では改めて当時のご自身を振り返ってどうですか。
J:ただの思い出話として自分の殻に閉じこもってひたすらセンチになるのもいいんですが、もうちょっと話を膨らませたいなとおもいます。
今も割とそうなんですが、僕自身あまり他人が自分をどう思っているかは興味が湧かないたちというか。でもこの時初めて相手が自分のことをどう評価しているのかが気になった瞬間でもあったわけなんですよね。
よくある小学校低学年とか幼稚園とかに初恋を経験したって人なら話はまた別だったのかなと思います。ある程度年齢を重ねて分別がつき、しかもそれが成就してしまったというのがミソであるとも思います。感情でするというより理性でする恋愛みたいなイメージかな。
MC:確かに初恋ってどこか報われてはいけないようなところがありますよね。「初」の文字が、その恋に終わりがあって次があることを示唆しているようにも思えますし。
J:そうですね。まぁ経験の少ない自分が言うのもなんですが、初恋ってやっぱり特別な気がする。多くの恋愛をした人にとっては、その中の一つで済んでしまうかもしれないけれど、自分みたいな人間にとってみたら自己同一性の根幹をなす一要素になっているといっても過言ではないほどの位置づけになっている人もいるだろうし。
MC:出会いの場でタイプを聞いたり、それこそ初恋はどうだったのかを聞いたりしていることってありますよね。もしかしたら初恋のことをはなしている相手のことを、その内容や話す調子によって探ることもできるかもしれないですね。それではお時間となりましたので本日はこの辺で終わりたいと思います。ありがとうございました。
J:ありがとうございました。
MCもグルになって初恋を理屈っぽく分析してて思わず笑ってしまった。高度なギャグのようにも読めて面白かった。しかし、その分やっぱり内容的には薄かったような気もする。淡白で感情があまり読めない文体だったのでもう少し感情の色の見える感じにしても良かったと思う。
なんだかもう少し掘り下げられそうな部分は大いにあるような感じがするが、全てサラッと触れて次に進んでしまう感じが物足りなく、モヤっとした。
軽いギャグな感じで攻めるならもう少しコミカルな感じが楽しいだろうし、もう少し分析の部分に力を入れて、こいつら初恋ごときで小難しく書いてるよ…みたいなのも面白いと思う。
書き方に工夫した辺りは、とても良い試みだと思う。
唐突に出てきた奴に恋について語られ、理性でする恋などと語られ、煽りかこのやろうと思って読んでいたらちょっと面白く感じました。いっそもっと調子に乗ったこと書いてもいいのではないでしょうか。
内容がラジオのような形式だったので、タイトルとのギャップの面白さはあると思うのですが、もう少し内容に即したのをつけてもいい気がします。