初恋はかくれんぼ/初恋/のっぽ

その曲は僕の奥の方にずっと隠れていた。

なんとなく歌う鼻歌の中に顔を出すけど、「この曲だ!」と見つけた瞬間、また奥の方に隠れてしまう。

見つかりそうで、見つけられない、そんな曲が隠れていた。

 

僕が3月に1回、楽しみにしていることがある。姉が読み終えた漫画の新刊をTSUTAYAの白い袋に入れて、100メートルほど離れた彼女の家まで届けに行く。胸の中にはたくさんのわくわくと、ちょっぴりのどきどきと。目線の高さにあるインターホンを押す。わくわくとどきどきが膨れ上がって、胸がいっぱいになってくる。15秒もするとドアが開いて、隙間から彼女がひょこっと顔をのぞかせた。

 

昨日のこと。昨日ではなく昨日。
なんてことはない。食器洗いの時に流す曲をyoutubeで適当に探していた。本当はしたくないけど、そろそろやらないとご飯も食べられなくなるから。少しでも億劫な気持ちを紛らわすために曲を探した。ポケモンのメドレーを選んだのにも特に意味は無かった。適度に長いのと、皿洗いの前にポケモンのまとめを見てたから、程度。

 

彼女が転校してから3か月が過ぎた。桜も散って、僕は6年生になった。そんなある日、家に帰ると母から手紙を手渡された。淡い水色の封筒だった。奪うように手紙を母の手から取ると、階段を駆け上がり、自分の部屋へ転がり込んだ。
宛名には、彼女の名前。

 

この間の僕の誕生日、彼女からFacebookでメッセージが届いた。

 

何より誰よりかくしてた。

結局僕は手紙に返事をしなかった。

バレバレなのに見えないふり。

 

どんなに遠くに離れても…

どんなにかくれても…

どんなに小さく静かでも…

ずっと終わらないから。ずっと忘れないから。

初恋の「かくれんぼ」。

 

Whiteberry「かくれんぼ」

0 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 5 (0 投票, 平均点: 0.00,  総合点:0  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「初恋はかくれんぼ/初恋/のっぽ」への3件のフィードバック

  1. 時系列がちょっとわかりにくかったです。
    皿洗う時に曲聴くのわかります。よくやります。

    この曲知らなかったので、Youtubeで聴いてみました。聴いた後に文読むとまた違った印象になったので、面白かったです。

  2. え、これ今ですか?なんで返事しなかったんですか?女の子は必死だったんじゃないですか!?
    全体的に淡い感じがして初恋ってこういうのだよこういうの!と思いました。今回のグループの皆さんは淡い初恋みたいな感じのが少なくて寂しかったのです。みんなマセガキかよって突っ込んだ。

  3. キモい。でもキモさがいい。そんな感じでした。けれど、もっとキモくても良いと思います。自意識全開みたいな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。