初恋は繰り返されるものである/初恋/ケチャねえ

初恋は繰り返されるものである/初恋/ケチャねえ

 

 

私は中学生の時からかかさず続けていることがある。それは、一日のうれしかったこと、悲しかったこと、驚いたこと、勉強になったこと、すべてをさらけだす日記。一日一ページ。だけれど、今日、この最後のページを書いたら10冊目が終わってしまう。家族も皆寝静まった夜中に、1冊目のノートを手に取った。

 

 

 

2009.05.02(13歳)

同じクラスで同じ部活、同じ音楽委員会にまさか出席番号までとなりだなんて。私の得意な数学をあなたは苦手だと言って、突然後ろを向いてくる。不意打ちはずるい。心の準備が出来ていない。私が前だったら同じ気持ちにさせてやるのに、とやり場のない文句を心の中にしまう。好き、嫌い、好き、嫌いの繰り返しで授業中に目が合ってうれしいと思ったら、次の日にはよそよそしい態度で悲しい。私の気持ちはまるで不安定なグラフみたいだなあ。

 

 

2011.09.19(15歳)

知らないほうが幸せだったけれど、あなたのやさしさに触れてしまってからは、どうしても頭の中から離れなくて、毎日変わっていくあなたとの距離感に自分が支配される気持ち。週に3回塾で会う先輩だから、自分の行動次第で近づきもできるし、離れもできるこのドキドキの半分は恐怖なのだと思う。激しい運動をしていないのにこんなにも深呼吸を必要とするなんて初めての経験。

 

 

2012.10.09(16歳)

あなたは私の変化によく気づく。前髪を少し切っただけで、声をかけてくれる。私の変化にあなたが気づくだったのが、いつからか、あなたに気づいてもらうための私の変化になった。あなたを狙っている女の子の噂を今日も聞いたよ。サッカーが上手くてシャイで優しい。「恋は戦争」なんて言葉がお似合いだ。心を撃ち抜くためなら手段は選ばない女の子がたくさんいるね。今日の夜は作戦をたてることに専念する予感。

 

 

2014.06.18(18歳)

感情だけは固定しようがないと気づいて、感情の行きつく先を探してみたけれど分からないから人生の先輩であるお母さんに聞いた。

「好きな人が出来た。」

気持ちをそのまま言葉に出してあげないと、言葉の居場所が心の中にはなくなってしまうよう。今度行く修学旅行の班一緒になれるといいなぁ。神様どうかお願いします。一心不乱にあなたを追いかける私の姿は滑稽なのかな?

 

 

 

こんな言葉を思い出した。

恋は全て初恋です。相手が違うからです。

 

そっとペンを握る。

 

 

2015.12.02(19歳)

すべてが完璧でわたしがあなたの心の中にはいる隙がない。そんな人。隣を歩いていても指が触れそうで触れないこのアイマイな間隔は、私とあなたの心の距離感を適切にあらわしている気がする。このドキドキは理屈じゃ説明できないし、隣を歩いているときの私の顔、ニヤニヤなんてしてないかな。そんなことを考えていたら、いつの間にか腕を引かれていた。触れてしまった。胸の鼓動が聞こえないようにあわてて声を出して話したの、今思い出すとあなたにばれてたかも知れない。

 

 

最後の1文字まで書き終え、ペンを置いて、思う。

 

ああ、きっと私の恋は初恋の繰り返しなんだ。

 

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「初恋は繰り返されるものである/初恋/ケチャねえ」への4件のフィードバック

  1. 共感ができる人には面白い文なのかもしれなですが、僕はちょっとよくわかんなかったです。もう少し主人公に対して作者がどう思っているかを明確に出すと読者が意見を持ちやすくなると思います。主題は割と好きです。

  2. ロマンチックなのかサイコパスなのか判断がつかなかった。なんでサイコパスだ? おそらく、ベタにベタな恋のフレーズが繰り返されるのに、脳が勝手に「このままで終わるはずはない」と警告を出していた。効果として応用できそうだ。なので、勝手に警戒していた身としては拍子抜けのようなところがあった。
    いや、けっきょく私が恋をしていていたらベタだと言い切ってしまったフレーズが全身全霊で共感できるものだったのかもしれない。ならば感動系の話だったのだろうか。難しい。

    ただ、相手が違えば初恋とあるけれど、繰り返される恋心の描写はフォーマットが一緒で精神的な成長も文章からはあまり感じられない。だから、相手によって恋の形が変わるから初恋と呼ぶというわけではなく、完全に一番最初の初恋の感情の焼き直しがぽんぽん貼り付けられていくように感じた。

  3. 日記が続いていくという文章の形態は結構好きです。でもそれならそれで、間に挟む心情描写は一切カットして、日記の中で物語が展開していく方が面白かったんじゃないかなぁとも思いました。あと、一人称が最終文だけ一瞬わたしになったので、なんか意図があるのか……?いや、ないのか……。みたいな気分になりました。思わせぶり、というか読者にいらぬ期待を抱かせるような部分が多いのかもしれないです。

  4. 日記を書く現在の自分を取り上げるのであれば、最後にもう一文欲しいですね。日記のバリエーションでディテールを埋めたのはいいのですが、このままだと読後、少し物足りない感覚が残ります。せっかく嫌なこともさらけ出した日記なのだから、初恋を消費していく過程を描いても面白いかもしれません。

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