ある意味面白い/書評/温帯魚

あまり読んでいて気持ちの良い本ではなかった。事例に対して意見が批判のみ、あるいは賛同のみに固定され、筆者が中立的な立場にいないように感じた。また、その事例も一般化できるようなものではなく、結果、どこか独善的な意見の押し付けのように感じられた。

 

一方でこの本が話題になるのも理解できた。世代間の、あるいは各個人の常識が急激に乖離した現在、旧来の家族というシステムが追い付いてないことの指摘は確かに的を射ている。また前述のとおり良くも悪くも筆者の立場がはっきりしているため、またテーマが誰に対しても共感をあるいは反感を得やすい題材のため、読者が読んでいく中で自分の意見を持ちやすい。(それが筆者の意図かはわからないが)筆者が賢くない、それゆえ自分と同じ高さに居るように感じられる。その結果読者それぞれが家族というものがどう思ったか、どのように考えているかが読んでいて浮き彫りになる。

構造として考えて書いたのならば天才である。考えて書いたのであれば。そして恐らく違う。

 

内容に対する感想として。解釈が一方的過ぎるきらいはあるが、事例があまり聞いたことのないような話で面白い。道徳の教科書と一緒に読めばバランスが取れるかもしれない。家族に対する不満や不安は誰しも持ち得るものだろう。その内容をある程度ついている。誰の中にも常識としてしか存在しない「家族」というものが、別に起こる人間関係と比べてどれほど変わっているものなのか。考えるきっかけとしてはいいかもしれない。文章も(内容を除けば)スタイルがはっきりしていて読みやすくはある。

私自身、ある程度(悔しいが)賛同できるところもあった。人間関係という訳の分からないものの中で、自分自身の考えを明確に宣言する筆者はこじつけ気味にしてもある程度は憧れられる。ある程度は。

しかしこれならネットの掲示板を読んだほうが良い気もしなくもない。

 

本としては薦められないが、一つアクシデントとしては面白いかもしれない。

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「ある意味面白い/書評/温帯魚」への3件のフィードバック

  1. 中立的でないことは必ずしも悪いこととは限らない。そもそも中立的であることが不明瞭なのだから、むしろ偏りが分かりやすく出ている方が誠実な気がせんでもない。さらに、中立的であることを是とするなら、「(悔しいが)賛同できる」というバイアスのかかった表現は矛盾するだろう。
    主観的な記述を批判しながら、自らも主観的な判断をしてはいまいか。

  2. 筆者を批判するタイプの書評であるが、言葉選びに疑問を感じた。特に「賢くない」という表現に顕著に。文体が冷静なぶんその表現の違和は特に目立ち、筆者の批判が急にお粗末なものに見えてしまう。内容自体には個人的に許容できるが、言葉一つで文書の印象がガラリと変わる点は覚えておいて欲しい。

  3. 染色体さんも言っているが、賢くない、天才ではないような気がする。そうしてしまうと一気に2ちゃん感が生まれてきて、煽ってるのか?と思えてくるが、文体は真面目だからミスマッチが起きてしまうような気がする。

    結局何を主張してるのか、整理されてなさを感じた。

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