荒らし/嵐/ピーポ

吹くからに 秋の草木の しをるれば 
むべ山風を 嵐といふらむ

百人一首にこんな歌がある。
筆者の拙い古文力で現代語訳すると、
「山から秋風が吹き降りてくると、とたんに草木を枯れさせて荒らしてしまう。なるほど、だから山風を嵐というのだなぁ。」
となる。
この歌は冬の到来を歌ったもので、まさに今の時期にピッタリな歌だ。
山に風がついたものが嵐だとすると、山に嵐がついたものがヤマアラシである。
ヤマアラシの棘は鋭く、ゴム製の長靴を突き破るほどの硬度を持つ。
また、棘は防御に使われるのみならず、背中側から敵に突進するなど、攻撃にも積極的に使用される。
そんなヤマアラシを題材にした哲学用語がある。
「ヤマアラシのジレンマ」というもので、簡単に解説を行うと、これは自立欲求と他者と一体になりたいという欲求の間で揺れ動くジレンマを表現している。
ヤマアラシは体を寄せあってお互いを温めあいたいと思うが、針で相手を傷つけてしまうので近づけない、というものだ。
しかし、原文によると、精神的に卓越した人ほど非社交的であり、凡夫ほど人との慣れ合いを求めたがるという意味らしい。
学問の世界ではこのような取り違いが非常に頻繁に起こりうる。
少し例が違うが、医学用語などは誤訳の宝庫である。
例えば帝王切開という語。
実際の作業内容だけを想像すれば、帝王の要素はどこにも存在しない。
なぜこのような日本語訳になっているのだろうか。
元はドイツ語のKaiserschnittに由来する。
これはKaiser=皇帝、Schnitt=手術をそのまま直訳してしまったがゆえの誤ちである。

まとまりのない思考を嵐のように書き綴り、思考の場を荒らすという試行を行ってみた次第である。

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