とりあえず今は/においのクリスマス/YDK

「今年は買う?それとも作る?」

お母さんが恒例の質問を投げかけてきた。家族が全員黙る。これは今年を締めくくる最高の難問かもしれない。

我が家では毎年、クリスマスには鶏肉とケーキをみんなで食べるという、仏教徒らしからぬイベントをしっかりこなしている。…きちんとちきんを食べる……ふっ。そんなわけでお母さんのこの質問だ。ファミチキにするか、ケンタッキーにするか、前日から仕込む手作りか…お母さんには悪いがどれも捨て難い。あわよくば全種類一つずつと行きたいところだ。ううむ……。

「あ、ごめん。今年はクリスマス家にいないわ、私」

……え?不穏な声が私の鼓膜を揺らした。毎年家族で過ごすクリスマスに姉が、いない?動揺はお父さんもお母さんも同様だったらしく、(あ、さっきよりうまい)

「「な、なんだってーー!!!」」

家族の絶叫が、家に響き渡った。そして始まる質問攻め。

「どーいうことなの」
「や、彼氏ができたからそりゃその日は一緒に過ごすでしょ」

お、おう。その通りです、はい。確かに姉はもう大学2年生。華のJDだし、浮いた話の一つや二つあるとは思っていたが今か。今なのか。クリスマスは家族で過ごしマスではなかったのか。

「おねーちゃん!落ち着いて、クリスマスは2日あるよね!24と…」
「いやいやいや、泊まりでしょ」

死んだ。妹やられましたー。姉のリア充発言にオーバーキルですよ。なんだこれ。難問が何問あるというのか……(そろそろくどい) おっと、お母さんの質問が忘れ去られているような気がする。

「まぁとりあえず私は手作り希望で」

お父さんもお母さんも子供に合わせるスタンスらしいので、手作りにすんなり決まった。姉のいないクリスマス、なんとなく寂しいようなめでたいような、複雑な気持ちでなんとなくもやもやしていた。

——————————————————–

〜クリスマスイブ〜

みんなでこたつに入ってぬくぬくしていると、お母さんがキッチンでなにやらごそごそと動き始めた。これは味見チャンス!こたつからさっと抜け出しお母さんの元へ。昨日から牛乳につけて柔らかくしておいた、立派な骨つきの鶏肉を一つ焼くらしい。とりあえず試作、といったところだろう。15分ばかりかかるそうで、味見の準備万端のお腹をそっとなだめて、こたつに帰ることにした。みかんをむきむきしながらお父さんとゴルフ中継を見る。…はぁ。いい休日だ。一つを除けば…

「いってきまーす」
「ちょとまてちょとまておねーさーん♪」

そんなさらっと行ってしまうなんて、流石にそっけなさすぎるぜマイシスター。少し古いネタをぶっこんでしまうくらいには慌ててしまった。……ん?私の謎のテンションにお腹を抱えている姉に少し違和感を感じたので顔を寄せてみると、不思議な匂いが鼻腔をくすぐってきた。……これは…香水か?一瞬トイレの芳香剤かと思った自分に正直げんなりしながら、姉が少し遠くに行ってしまった気がして切なくなった。

「じゃ、今度こそいってくるねー」

手を振って姉を見送り部屋に戻る。香水の匂いが残る鼻に、香ばしいチキンの香りが上書きされていく。これから年が経つにつれて、家族で過ごすことも減るのかなぁ、なんてちょっとセンチメンタルな気持ちを抱えながら、とりあえず今年のクリスマスは全力で楽しもうと決めた。

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「とりあえず今は/においのクリスマス/YDK」への4件のフィードバック

  1. 文中にギャグを挟んでいくのは面白いですが、そのせいで時間の流れが止まってしまい緊迫性に欠けてしまっています。また、文章にも書いてある通りちょっとくどい気もするので使う量やタイミングをもっと工夫する余地があるかと思います。
    最後の部分で今年のクリスマスは全力で楽しもうと決めるのが突然すぎる気もするのでワンクッション置いてもいいのではないのかと感じます。

  2. 少し何が言いたいのかわからない感じになってますね。ギャグ、寂しさ、家族、なんだかいろんなものを詰め込みすぎてどれも取りこぼしている感が否めません。書いている文章の中で何処がポイントなのか、自分の中で優先順位を決めてから書くと、しっかり一つに収まるのではないでしょうか。
    こういう文体を上手く書くには、ちょっとオススメの本になっちゃうんですけれども、児童書作家のはやみねかおる先生の作品なんかを一度読んでみると良いかもしれません。夢水シリーズというのが丁度三つ子姉妹のわたわたした感じを面白おかしく時にしんみり書いているので、参考になるんじゃないかと。参考にする文章があると少し書きやすくなるかなと思います。
    あと最後に、主人公の気持ちのモノローグも効果的に使ってあげるとより話を読んでいて面白くなるだろうと思うので、頑張ってください。

  3. なんだか空回りしてるような、元気で少し損をして生きてる感じの主人公に好感を持ちつつも少しうざったかった。笑 そのうざさが、少し損をしてそう、という理由なのだけど。

    私はこういう書き方をしないので、アドバイスは難しいですが、統一感がもう少しあったほうがいいかなあ。テーマというか焦点がどこに当たっているのかわからなかった。家族の寂しさ?自分のキャラクター??というかファミチキと手作りなら手作りでしょ!笑

  4. 前半の動揺する両親をよそにひとりチキンを食べ比べている妙にクールな主人公が好きでした。時間が急に飛んでしまっているために、前半も後半もあっさりしていて、ギャグなのか、変わっていく家族をどことなく悲しく感じる主人公の様子を描いているのかわかりにくくなっているなと感じます。あいだのちょいちょい出てくるギャグが少しくどいかな。

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