わたしの/においのクリスマス/眉毛

クリスマスの日は木曜日が多い。そんな気がする。

 

木曜日はお習字の日。3才からずっと習ってもう15年目、毎週毎週、家から少し離れた隣の地区の教室まで、自転車で行っている。

習字教室までの道は田んぼが多い。木曜日は6時間目まであるから時間も結構ギリギリで、わたしはスピードを出して田んぼを走る。秋は稲穂のあのなんともいえない甘い匂いがちゃんとして、その中を自転車で走るのはなかなか好きだった。

 

冬のこのクリスマスの時期、だいたい田んぼは燃やされて、あたりをあの煙のにおいが覆う。たぶん稲刈りのあとを燃やして、灰が肥料になったりするんやろう。あの煙のにおいの中を歩くだけで髪ににおいがつくし、ベランダに洗濯物を干していた日は最悪。もう一回洗濯したくなる。

 

それでもわたしはあの燃やした煙のにおいが好きで、いまでもクリスマスと聞くとあのにおいを思い出してしまう。3才からずっとにおいつづけてきたあの煙。田んぼを燃やすおかげで、来年の秋もあの稲穂の甘い匂いを感じられる。

 

お習字から帰ると結構な時間になっていて、クリスマスパーティーなんか当然できない。もちろん、木曜日じゃないクリスマスは、ちゃんとパーティーする。そのときはチキンのにおいもケーキのにおいも、キャンドルのにおいも、たくさん感じられる。なのに、わたしのクリスマスのにおいはあの燃やしたにおい。そんなに木曜日が多かったのかな。もう一度お習字習いたいな。あれだけ続けたんやもん、やっぱり好きやったな。

 

大学生になってクリスマスは出かけるにしろバイトするにしろ、人工物に囲まれている。イルミネーションとか、もろ人工物。そんなときにあの田んぼの燃えたにおいを思い出すと、ノスタルジックな気持ちになって、早く帰省したいな、年末もうすぐやな、って。

今年もきっとそんなクリスマス。

 

 

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「わたしの/においのクリスマス/眉毛」への1件のフィードバック

  1. 植物燃やす匂い、いいですよね。いぶくさい臭いがつくのに、嗅いでる間はいい匂いしかしないのは不思議です。クリスマスツリーを燃やしてみたいですね。
    お題のクリスマスに沿って話が進んでいっていますけど、少し違和感を感じました。テーマ:クリスマスというより、田舎と都会のにおいの対比のような。それはそれで好きなのですが、クリスマスの印象は薄かったです。最後の年末という単語にひかれたせいもあるかもしれません。

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