どうしても彼の台詞が頭をよぎるので/目/きりん

映画「天空の城ラピュタ」が公開されたのが1986年。今年で丁度30年目にあたる。
この映画に登場する悪役、ムスカ大佐は映画の公開から今日に至るまでやたらと人気のあるキャラクターだ。特にネット上ではパロディやその台詞が多用される。

なぜムスカは人々に親しまれているのか。私なりに考察していきたいと思う。

まず第一に、ムスカの悪役っぷりについてみてみよう。
外見は、背が高く軍人らしい鍛えられた体つきの茶髪の男。サングラスほどではないものの、色つきの眼鏡をかけている。設定では28歳、あるいは32歳で多少将来的な生え際の後退が心配されるが、整った顔立ちだ。そして常に吊り上がった眉がその冷酷そうな印象を強めている。
物語中で主人公2人に味方する人間は中高年か、やや間の抜けた姿である。身なりがよく、外見が良さげだからこその悪役だ。

強敵として立ちはだかるべく、その能力もまた優れたものである。旧約聖書やラーマーヤナに通じるほど教養があり、他に読める者がほぼいないラピュタ文字を解読できる。また、リボルバー拳銃での射撃の腕も確かである。
特務部隊所属とはいえかなりの若さで大佐の地位におり、出世も早い。

行動も悪役らしく、冷酷だ。自らがラピュタの支配者となるために、部下や自らの所属する軍を裏切り、彼らの乗った飛行船艦を攻撃、撃墜させる。細々としたところでは、上官に対しては敬語を用いていてそれが慇懃無礼に聞こえる点、主人公達少年少女を追いつめていく際の高笑いや靴音などが彼の嗜虐的、利己的な部分を表している。

次に、ムスカ大佐の台詞に注目してみた。
「3分間待ってやる」
「見ろ!人がゴミのようだ!」
「目が!目がぁぁ〜!」
など、インパクトの強い台詞が多い。上に挙げたなかで三つ目の台詞ならば、これは追い詰めるムスカに対し、主人公らが一気に逆転したシーンでの言葉である。苦痛を訴える声なのに、この台詞が聞こえた瞬間のスカッと感はかなりのものだ。

日本語としても、言葉を強調するために倒置法、比喩法など様々な表現技法が用いられている。
また台詞そのものは短く、テンションが高めであるため、耳にはいりやすく理解しやすい。
やや過激で上から目線なところがネット上でのニーズにあっているのかもしれない。

まとめとして、ムスカのわかりやすさについて記述したい。
ムスカがいかに悪役らしいかは前述した通りだ。しかし彼は全く正体不明の敵ではない。外見がまっとうな人間であるのはもちろん、主人公の1人シータを確保するという目的が冒頭から常にはっきりしているし、その身分さえ自ら名乗っている。視聴者にとってその人物像はぶれることがない。
また、スタジオジブリ作品としては珍しく最終的に死亡が確認される。末路まではっきりしているので、後々復活する心配もない。

この悪役としてのわかりやすさが、ムスカの魅力ではないかと考える。

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「どうしても彼の台詞が頭をよぎるので/目/きりん」への2件のフィードバック

  1. 文体が中途半端だと思う。評論ならもう少し分析して欲しいし、違うとしたら固すぎるし。何を伝えたいのだろうか〜?と思ってしまった。ムスカの分かりやすさなら、そこについて最初から述べるべきかなあと。

  2. せっかく圧倒的名作を題材としているので、もう一つ掘り下げというか展開というか、愛が欲しかったですね。描かれていない部分の考察があったら興味深い評論になったのかなと。

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