八方塞がり/嫌い/縦槍ごめんね

「人の汚いところばかり見ていると汚い人間になってしまうわよ。」

それが昔からの母親の教えでした。私は人に合わせて、出来るだけ嫌われないように嫌われないように生きてきました。いわゆる八方美人でした。

その生き方のおかげなのか学生時代は誰にも嫌われることなく、普通に生活を送ることができました。たとえ人の嫌なところが見えたとしても、見えないふりをして決して悪口は言いませんでした。クラスの人達にはなんて人間が出来ているの人なんだろうと思われていたことでしょう。

しかし、社会人になってから私を取り巻く環境は一変したのです。社会という場所は人の汚い部分で溢れかえっていました。皆が皆、無責任で自分勝手。そんな中でも私は生き方を変えることはしませんでした。私は絶対この人達のようにはならないと心に誓ったことを今でも覚えています。まぁ本当のことを言うと今更、この生き方を変えることに恐怖感を抱いていたのです。私は本当に臆病な人間です。

就職してから2ヶ月、私は上手く使われる人間になっていました。学生時代はたくさんいたはずの友達も一人として出来ませんでした。皆が私にいい顔をするのは仕事を頼むときくらいのものでした。これやっといて、あれやっといての大合唱。でも私はそれを断るすべを全く身に付けてはいなかったので、ニコニコしながら全て受け入れてしまうのでした。

ある日、会社で休憩室に行くと先客がいました。それは、今まで全然話したことのない同僚でした。

「峰岸ってさ、本当に都合いい奴だよな。」

「いや、でもいつもニコニコしてて気持ち悪いよな。すごい薄っぺらい感じしてなんか友達とか無理な感じだわー。」

「まぁ、俺もよくわかんねぇけど、ドエムなんじゃね(笑)。」

聞こえてきたのは、私の陰口でした。最初はなんで悪口を言われているのか分かりませんでした。あぁなんだろうこんなに嫌な気持ちになっているはずなのに、まだ私ははむかうことに恐怖を覚えていました。

それ以降、私は会社にいけなくなりました。人を見ると怖くて怖くてたまらなくなったのです。おそらく私は精神を病んでいるんでしょう。でも人に会うのが怖いから病院にも行けません。誰か助けてください。

もう、八方塞がりです。

皆さんも八方美人には気を付けて。

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「八方塞がり/嫌い/縦槍ごめんね」への2件のフィードバック

  1. すっきりとまとまっていて読みやすい文章でした。ただ主人公を嫌う人にあまり人間としての汚さが見られなかったので、もう少しわるそうな奴を登場させてもよかったかもしれないです。あと個人的に最後の一文はいらないような気がします。

  2. 最後の文がなんとなくよくわかりませんでした。どちらも八方ということでなんとなくかけている?のかなとも思いましたが、気をつけることはないと思います。短いながらも印象に残るこういう文章が書けるのはすごいなと思いました。

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