二人/百合/ボブ

私の通っていた学校には誰の目にも分かるようなレズカップルがいた。学年は違っていたけれども、その存在は先生を含め学校中に知れ渡っていた。そういう異質なものは話のネタにはうってつけであったから、休み時間になると二人でトイレにこもるらしいなどという類の噂は絶えず流れていた。二人のうちの一人はどこにでもいるような女の子。ストレートの長い髪をいつも綺麗に二つに結わいていた。もう一人は膝丈より長いスカートに男の子しかしないような短髪姿。お世辞にも可愛い女の子とは言えない、独特の雰囲気を醸し出していた。

 

二人はいつも一緒にいた。増えることも減ることもない。いつも二人。きっと二人に居場所はなかったのであろう。学校では明らかに孤立していた。学年が三つも違う私でも容易に分かるほどに。この孤立が二人の関係をより強固なものにしているのは確かだった。孤独ではなく、孤立。依存することでしか生きられなくなった二人。その二人を私は外から見ることしかできないかった。切なくて愛おしい、私にとって二人はそんな存在だった。二人はどんな会話をしていたのだろうか。どんなところに惹かれあったのだろうか。それは二人にしかわからない。

二人の目はいつも死んでいた。俯き加減でどこも見ていないような目。とても印象的だった。今でも覚えている。その目には何も写ってはいなかった。光さえも写り込んではいなかった。そんな表情からは何も読み取れはしない。感情を出さないことで二人は二人の世界を守っていた。表情を殺すことは周りを遮断するための手段であったのだろう。

 

二人が卒業してから、その姿を見ることはなくなった。噂を耳にすることもなくなった。二人は元気だろうか。今でも一緒にいるのだろうか。どうか誰も邪魔していませんように。そう願うほかないのだ。

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「二人/百合/ボブ」への3件のフィードバック

  1. 2人がなぜ付き合っているのでしょうか。死んだ目をして感情を出さず、お互いを依存していることでしか生きていけないということは、昔外の世界との間で何かわだかまりが出来たような感じでしょうか?
    それはともあれ本当に2人だけが異世界にいますね。面白いですが想像できないです。想像できないのは2人の間のエピソードが描かれていないからなのかもしれません。この謎な感じを害さない程度に2人の間のエピソードを入れると読者から見てとっつきやすくなるかもしれません。

  2. 何で目が死んでいたのか、二人がどのような心境だったのかというのが少し気になった。だけど、独自の世界観が上手く伝わってこなかったので読者は置いてけぼりになっちゃうような気がした。あと何だかポエミーだなという印象。

  3. 書いてあるなかでは二人がレズではなく友人同士、相棒でもおかしくないと思います。もう少し二人の仲について記述がほしいです。
    百合カップルが庇護対象になるのは何ででしょうね。二人が人々に受け入れられることよりも別れていないことを願うことと、関係があるのかもしれません。

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