涙は美しい

「涙は、透明な血である。」

という言葉を耳にしたことはないだろうか。実際、涙と血の成分はそこに血球が含まれているかどうかの違いしかなく、血球が血の赤色を形成していることから、「透明な血」という表現は妥当なものである。

「透明な血」というのは、いかにも文学的な表現で、もしそこに現実味のない比喩だったとしても、以下のように書くと格言のようで説得力のある文章になる。
「人は涙を流すとき、心から血を流している。」

ところで、涙も血も体液である。体液といえば、このほかに、唾液や汗、尿や精液などがあるが、そういえば、数ある体液の中で、「かかると汚い」というイメージが付きまとわないものって、涙くらいではないか。

表現の方法によっては、「血と汗と涙の結晶」という文脈では、努力して流したものという肯定的な表現になる。
また、革命によって今の形が出来上がった国家の国旗の多くには、革命で流された血を表現する赤色という表現は、多くなされる。つまり、死が身近にある空間では血もあまり汚いものではないらしい。

なるほど現代では血は死とともに一般人の生活からは切り離され、忌むものという認識になったようだ。

次に汗。これも前述したような努力の比喩的表現としては綺麗なものの部類に入りそうだ。しかし、これも面白いもので、高校生が部活で流す汗は綺麗なのに、中年が通勤列車で流す汗はなぜ汚いのか。そして同じ高校生でも、肥満体型が教室で流す汗は、綺麗なものではない。
どうやら、汗は流す人とそのシチュエーションで認識が異なるようだ。それもほぼ真逆になる形で。

唾液は基本的に汚さや未熟さとセットになる。普通の人は口から分泌された唾液を外にこぼすことはしない。こぼすのは、幼児や口の筋肉が衰えた人である。涎掛けのもつイメージと唾液そのもののイメージはほぼ合致する。

ところで、なぜ人間は排泄物や体液に嫌悪感を示すのだろうか。感情的に考えれば不快だから、となるが、なぜさっきまで自分の中にあったものがそんなに不快感を催すのだろう。排泄物であれば、そこには細菌が含まれる(厳密には尿は排泄後に外気に触れることで繁殖するのだが)から本能的に嫌う、というのはわかるのだが、例えば他人の汗がついたものを触るときのなんとも言えない不快感。ただ水に濡れたものとは全く違う気持ち悪さがある。臭いだろうか? でもそれだけではない気がする。

人間に限らない気がしてきた。例えば、虫に触れたら何かよくわからない汁が出てきた。そんな時、同じような生理的不快感を感じる気がする。どうやら、生気を感じる液体は、あまりいい気持ちがしないようだ。

こうして見ると、涙が体液の中では少し特殊な位置づけをされているのではないかと思った。
 

0 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 5 (0 投票, 平均点: 0.00,  総合点:0  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「涙は美しい」への4件のフィードバック

  1. 「ところで」という接続詞は書きたいことが多くあるときは便利である。だが、一方で文章全体を見るとき、「ところで」で切られた節と節の繋がりが見えなければ、何を言いたいのかわからない文章となってしまう。今回の文章がそれだ。
    また、スタイルの問題もそれに輪をかけている。これが完璧にエッセイとして確立されていれば、断片的なエピソードの連なりとしても読むことが可能であろう、というより、読める。対して、批評であれば、論の構成的な巧みさを含めて評価されうる。だが、この文章はどちらで読めば良いかわからない。そして、それを狙っているようにもあまり思えない。というより、それは有効に働いていない。立ち位置を明瞭にすることは、文章を書く上で重要である。

  2. エッセイか、批評文か。気にするなと言われればそれまでかもしれませんが、私はこの中途半端な感じがどうも落ち着きませんでした。どちらかというと批評文よりかなとは思いますが。
    タイトルでも涙は美しいだったり、最後でも涙だけは特別と言ったりと、筆者が言いたいことは分かるのです。それが一番思ったことなのだなと。しかし、一貫して読むとどうしても何が言いたいのか?と突っ込んでしまう自分がいました。何故なのでしょう。話の流れでもそう不自然なところはないし、涙から汗や排泄物等繋がりもあるんですが、だから何なんだ?と思ってしまうのです。
    分かりきったことを言っているからかもしれません。汗や排泄物に不快感を持つのは多くの人間だし、そんな一般論を今更言われてもなあと思ってしまうからでしょうか。別にぶっ飛んだことを言えというわけでもないし、共感を求めろというわけでもないんですが…。
    まとまりが悪くなってしまってすみません。

  3. エッセイか評論かわからないですが、筆者の考えをただ述べただけの文章なら、もう少し論理を徹底してほしいです。某元議員が会見で号泣して流した涙とか、とてもキレイなもとのは思えないし、他人の汗がついたものを触るのは確かに気持ち悪いですが、私なら、例えば自分が泣いてる相手にハンカチを返して、たとえそれがどれだけ「キレイ」とされる涙であっても、その涙でぐっしょり濡れたハンカチを触るのは気持ち悪いです。
    特にこの文章からは、「この心の奥底にあるドロドロした気持ち悪い感情を言葉にしたい」みたいな筆者の意思は感じられないので、ただ筆者の考え、しかも特に新しさもない考えを書くなら、もっと突き詰めて考えてほしいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。