おうちごはんと三ツ星シェフと、時々レトルト/春課題②/五目いなり

どうもこんにちは、先程ぶりの五目いなりです。
本日は予告通り映画を見てまいりましたので、それに関して抱いた感想をつらつらと述べていこうと思います。
つらつらと言いましてもとても熱くなっている上に思考もまとまらないので、今回はとても長くなると思います故、お暇な方だけお付き合いいただければ幸いです。
ちなみにタイトルは映画の内容と一切関係ありませんので、悪しからず。

さて本日私が見に行った映画ですが、知っている人はきっと知っていることでしょう、男子校でゆっくり真面目に恋をする二人の青春ストーリーの、あれです。
中村明日美子先生原作の映画『同級生』、見てまいりました。
もともとこの映画の原作である漫画はとある方にお借りして知っていたのですが、正直映画という媒体に対して思い入れのない私は「失望しないといいけどなあ」と思って(今考えれば失礼極まりない話ですが)大都会新宿の大きな映画館に足を踏み入れたわけでした。
ちなみに一緒に見に行ってくれたのは漫画を貸してくれたそのある方で、実はみなさんも良く知っているあの方です。
Nちゃん、早くスタジオの課題をあげればいいのに。

映画の話に戻りますが、過度な期待を抱かないようにして見に行った『同級生』、内容はこれから観られる方のために伏せますが、簡潔に言いましょう。
悔しかった。
これです、この一言に尽きますよ、悔しかったんです。
何が悔しかったってもう、こんなん説明してもわかってくれる人がいるのかどうかしらんけど、なんでしょうね、初来日の気取ったフレンチレストランにどうしても行きたいと友人が強請るもんだから「家のご飯で満足してるしどうせレトルトのフレンチと変わらないんだろうけど友達行きたがってるし仕方ないか」という体制で行ってみたらめちゃくちゃ美味しくてフルコースを堪能して退店する際に店のドアに敬礼せざるをえなかったしまた来ようと思ってしまったような感覚、です。
わかりますかね、今まで家の飯が一番うまいし安心感あると思ってたのに、それに匹敵する味と居心地の良さを感じてしまったことが悔しいのです。

この映画を見に行くという選択肢がナチュラルに存在している時点で皆様御察しの通り、私は所謂腐女子であります。
それも「三度の飯より二次創作!」というような腐女子なので、正直『同級生』を読むには抵抗がありました。
何故なら私はアニメや漫画の内部の人間関係を考察してこじつけた関係性を重視したBL作品が好きなのであり、男同士がいちゃついているだけのBLが好きだったわけではないからです。
例を挙げると限りがないしこのブログが炎上してしまうと申し訳ないのでしませんが、ただ二人男がいるだけではなんの意味もなくて、その男たちの原作内での行動(例えば声音とか目配せとか、お互いに向ける意識だとかそういうの)を読み解いて、こじつけを撚り合せた結果が恋心になっている、という作業そのものが好きなのです。
わかってくれとは言いませんが、そうなのです。

二次創作系のBLは焦点となる二人を選び、その関係性を考慮し、原作の良さを活かした創作をする楽しみがあるのですが……これ、何かに似てると思いませんか?
そう、料理です、料理と全く同じなのです。
まずは人物選びですね、これはどこの産地のどの野菜や肉、魚を使うか考えることと同じです。
そして関係性の考慮は、その材料の良さを吟味すること……果物には果物の、肉には肉の良さがありますから、それを理解しなければ美味しい料理は作れません。
それから創作、これはもう調理工程ですね、良さを十分に理解した材料を一番美味しい形で食べたい、提供したいという意思の元に行われる愛の過程そのものです。

……少々熱くなりましたが、話を元に戻しましょう。
そんなわけで私は料理の工程そのものを楽しむことができる、つまり関係性を自分の思うように解釈・構築することのできる二次創作系のBLが好きなわけなのですが、では今回見てきた『同級生』というと、それとは全く違ったタイプのBLです。
まず『同級生』は商業BLと言って、オリジナルのキャラクター達による恋愛を描くジャンルのBLで、二次創作のようにとある作品のキャラクターの関係性を自分なりに解釈して描いた作品とは大きく異なります。
まあ、簡単に言えば主要人物が両方とも男の少女漫画(な○よしやり○んの類)と言ってもいいでしょう。
そこには各キャラクターを考察する余地は二次創作と比べるとほとんどないとすら言えるでしょう、何故なら既にそう描かれたものであるからです。

二次創作が作る過程を楽しむことができるおうちごはんなら、商業BLは既に出来上がった料理をいただくレストランあるいはレトルト食品のようなもの、だと説明すると(幾らか語弊がありますが)わかりやすいのではないでしょうか。
ともかく商業BLには、料理を作る過程がない分、料理(二次創作)好きな私は抵抗を覚えていたわけでございます。
「けっ、商業BLなんて出来合いのお惣菜みたいなもんだろ!絶対家のごはん(二次創作BL)のが美味い決まってるし、ありきたりな味付け(王道シチュエーションや設定)任せの飯なんか美味いわけないっつーの」
……なーんて考えていた頃が、私にもありました。
ありましたとも。

しかし
しかし!!

『同級生』は、私の中でお惣菜やレトルト食品ではなく、三ツ星シェフの手料理として理解されたのです。
いいですか、レストランのご飯じゃないんです、シェフの手料理だったのです。
私は忘れていたのです、レストランにはシェフがいるということを。
優れた料理は決して人の手抜きでは出来上がらず、また優れているからこそ大衆に好まれる……こんな基本的なことを忘れ、私は今まで商業BLを嫌っていた、なんともったいないことでしょう。

確かに商業BLは書き手がいることを忘れるほど美しいものしかありません。
それはまるでレトルトや冷凍食品のパッケージのような美しさ、どこか偽物めいた美しさを纏いながら我々の前に立ちはだかります。
その美しさとは世に言う美しいBLの要素(兄弟関係、オフィスラブ、男子校、年下攻め、ヘタレ攻めetc……語らせれば三日は止まらないのでこの辺で)をうまく組み合わせ詰め込んだもののようにも見えるし、事実要素を詰め込んだだけの商業BLもきっと世には存在していることでしょう。
しかし、今回私が見てきた映画『同級生』は、そうではなかったのです。
これは私が運よく初めての商業BLで三ツ星シェフに巡り会えたのか、それとももともと商業BLの世界にレトルト食品なんてなかったのかはわからないのですが、ともかく!
『同級生』は映画も漫画も、どちらも素晴らしく調理されていた、大変美味なBLでございました。

全体的に原作を意識した作り方をされていて、色彩や構図、台詞回しや場面の割り方まで素晴らしく、それはもう耐えきれず顔を突伏したい欲求を抱えながら漫画を読んでいたあのときの感覚をノンストップで与え続けられるような気分でした。
漫画と違って自分のペースで読むことができないので、本当に美しい描写から目をそらすことも許されず、妙に冷静になった頭でシェフの顔を見つめてしまうようで、そう、あの映画は原作への愛も詰め込んだオープンキッチン式のレストランで、私は確かにあの映画の中にシェフやソシエ、たくさんの料理人達の真剣かつ楽しげな表情を見ることができたのです。

そろそろ自分でも何を言っているかわからなくなってきました。

ともかく、今まで畑違いと言って見向きもしなかった商業BLというジャンルに感動させられたことが悔しくて、そして二次創作の関係性を見出す行為に神聖を感じていたことを腐女子である理由に用いていた自分が「まるで少女漫画のような出来上がっている恋愛」に胸を躍らせていたことが悔しくて、どうにもたまらない気分で私は映画館を後にしたのでした。

私は現実の恋がどんなもんかはまるでわからんお子ちゃまですが、ああいう美しい恋愛にため息を吐くほどには普通の人間だったのです。
自分が恋愛感情を持つ人間であることから逃げてきた私ですが、これは、やばい、やばいです、自己概念の軽い崩壊と捉えてもいいでしょう、やばい。
とにかく、やばい。

……と、こんな感じでレビューにもならない感想を書き連ねまして最初から読み返してみたのですが、見事にわけがわからない。
この文章を読んで共感できる人間は私と握手して欲しいと思います。
今日はいろいろなことが起こり感情が高ぶったまま月曜午後25時35分を迎えなければならないので死んでしまいそうな気分ですが、何とか生きます。
生きて、三ツ星シェフの手料理も本当に美味しかったけど、やっぱりおうちごはんの材料を得るのも死ぬほど楽しいなと思う行為に徹します。
ビバ、パインツリー。

……と、いうわけで。
これからは少しだけ生まれ変わった腐女子、五目いなりをどうぞ宜しくお願いします。
二度連続の課題投稿ですが、おそらく明日もメイド喫茶へ遊びに行くので、もしかしたら何か書くやもしれません。
空気も何も読めなくて申し訳ないのですが、何分予定が少ないのでまとめ投稿をお許しください。

それでは最後に……
みなさん、『同級生』、観に行きましょう。

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