Good Bye☆意識!〜気絶のプロは語る〜/春課題③/峠野颯太

こんにちは、気がつけば3月、今日は桃の節句です、ひな祭りです女の子の日です(語弊がありそう)。

この文章を書く寸前、思い切り足の小指をロフトの階段にぶつけて気を失っていました。本当です。私は医者に太鼓判を押されるほど、豊かな感受性の持ち主であり、それが故に高ぶった気持ちを自分で制御できないのです。つまり、痛みやショックに弱く、抱えきれなくなった私は自らの意識をシャットダウンしてしまうのです。今まさにそれが起きたのです。

これを機に、意識を失うとはどんな感じか、皆さんの今後の文章の参考になればと思い実体験をつらつらと述べたいと思います。インプットつーかアウトプットかこれは。知らんけどもう書かせてください。

意識を失うためにはまずなんらかの外的ショックが必要です。漫画やドラマなんかでよく見るのは、相手から衝撃的な事実を見聞したり、血を見て気を失うというパターンですね。あれは対象への衝撃的な感情を受け止めきれず、混乱した自分を守るために意識をシャットダウンするわけです。最近の若者なればパソコンで例えるとわかりやすくないですか?色々アプリやらソフト開いてたらいきなり固まるとか、落ちるとか支障が出るでしょう?あんな感じです。キャパオーバーなんです。
私も勿論経験者です。超あります。学校の先生には名指しで耳を塞げとか、大丈夫かと気にかけられるほどの経験者です。例えば、応急処置について「キレイキレイ」のキャラに似たタッチの絵で説明されている本を朝の読書タイムに読んでいたら、血の描写(あくまでキレイキレイの絵)にぶち当たってそのまま意識とさようならしたりとか、叔母からヘルニアについての経験談を聞いていたらとか、嵐の大野くんが主役だった24時間テレビのドラマで、病気で弱っていく大野くんを観てたらとか、スケートの羽生選手がぶつかって怪我したとかいうニュースを見てとか、ほんとキリがありません。ちょっと書いてるうちに思い出して握力が無くなってきたので次に行きます。

精神的ショックだけでなく肉体的ショックによる失神もありますよ。いちいち説明するのも長くなるので、私が経験した具体的な肉体的ショック一覧をどうぞ。
肘を机の角に強打
腹を風呂の浴槽に強打
腰を机の角に強打
小指を階段に強打(さっき)
親に足の爪を触られる
怪我した部分の湿布を剥がされる
医者に怪我した部分を触られる
etc.

最後に至っては洒落になりません。怪我してる患者を診ていたらいきなり「あっ、すいません、ちょっと、無理です、あの、あ………」と触診拒否しながら意識を失っていくんですよ。何が無理なんだと。医者はどうしろと。触らずして症状なぞわかるかと。困ったもんですね。

話が膨らみすぎました。とりあえずなんらかのショックが与えられると、身体が一応反応をします。私の場合まず握力がなくなり、手先が異様に冷たくなります。これぐらいだと意識をまだ手放さずに済みます。ショックから逃げればいいんです。話を聞いてる場合だと「あっ!やばそうそれ以上聞くと無理かも!」とある程度余裕を持って拒否することができます。
第二段階としては、嘔吐感がやってきます。割と気持ち悪いです。吐いたことはありません。気持ち悪いだけです。ここに至ると「まじやばいあかんそれ以上聞いとれん」と余裕が無くなってきます。
嘔吐感とほぼ同時にやってくるのが耳鳴りです。耳鳴りだけでなく、音が遠くに聞こえもします。多分顔色も尋常じゃない。見えてないからわかんないけど。「あっもう無理かも」拒否ではありません。もはや現状を述べるくらいしか手はない。まれに持ち直すことがあります。引き抜かれた魂を寸前のところで吸い込む感じです。間一髪。
最後に視界が紫色→黒に変化します。ここまで来るともう手遅れ。ここから回復したことは一度もありません。意識を手放すしか術はなく、「無理、ダメ、うわ、あ」文章なんか作れません。気持ち悪いし本当にどうしようもないんです。

はい。おめでとう。意識を失いました。失った直後はほんとになんの記憶もありません。無です。深い眠りに落ちている時、夢も見ないし記憶などありませんね。そんな感じです。そうして、時間が経過すると(どうでしょう体感時間としては5分かな、記憶もないのでわかりません)喉の奥から渦が出てくる感覚に陥ります。文で表現するには私の力が足りません。とりあえず、喉の奥から生まれる渦に身体が飲み込まれる!という錯覚を起こすのです。これ本当に毎回なんです。飲み込まれる寸前、という時に音が聞こえ始めます。多分周りの音です。音がだんだん鮮明に、私の名前を呼ぶ声だったりテレビの音だったり、と判断できるくらいになって視界が回復します。

ドラマや漫画だとたいていここで周りの人が大丈夫!?と駆け寄って、大丈夫、目眩がしてとか言って立ち上がるなりしますよね。
甘い甘すぎる。本当の地獄は意識を回復させた時にあるのです。ひょっとしたら私だけかもしれないけど。

目が見えて周りの状況を把握すると、ああまた気を失ったのか、と自分の状況も把握します(プロだから)。そして、どうしようもない吐き気と倦怠感に襲われます。数分から数十分は動けません。この時の吐き気は気を失う前のそれと比べ物になりません。実際に吐くこともあります。もうどうしようもないんです(プロなのに)。顔色もものすごく悪いし、手先も冷たいし、手に力なんて入らないし、寝転がっているしかできない。「気持ち悪い気持ち悪い最悪」ぐらいしか言葉にできません。会話もできない。余裕がないんですね(プロだけど)。
そして、顔色が少し良くなり始め、余裕が出てくると会話できるようになります。でもまだ体は動けません。吐き気はまだ消えていないのです。動くと多分吐きます。
吐き気が消えたぐらいに立ち上がることができます。まだ握力は回復していませんし、手は冷たい。でもここから日常生活に戻ることができます。たいてい心配されるけれど、立ち上がった時は本当に大丈夫だということです(プロなので)。
動き始めると知らん間に握力や手の体温も回復しております。

こうして長い長い失神が終わるのです。気を失って終わりじゃないんです。苦しくてたまらない過程を経てようやく終わりなんです。

数十回気を失ってきた、いわば気絶のプロから言わせれば、気を失ってみたいというやつにこの吐き気や倦怠感を味わってから言えと言いたい。私レベルになると、自分の気を失うきっかけからタイミングなどだいたい掴めます。こんなのつかんでもしょうがない。だって気を失う時はどうしようもないんだから。

ということで、気絶のプロによる意識のシャットダウンの描写でした。意識を失う小説を書く時など、今後参考にしていただければ、と思います。だけど、小説で「握力が消えていく。これはまずい…しかも音がだんだん遠ざかる。あっ…と思った時には遅かった。気づけば僕は、意識との繋がりを絶ってしまっていた」なんて書かないと思う。何がまずいんだよって突っ込まれる。註釈に「意識が遠ざかるの意」とか入れないといけなくなるだろう。せいぜい「目を覚ませば、ベッドの上。どうやら意識を失っていたらしい」ぐらいでしょ。分かってるわそんなこと。みんなの題材にって感じで書いたけど、結局はこの気持ち悪さと倦怠感を知って欲しかっただけです。すいませんでした。

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