コイサン語族/春課題2/さくら

僕が言語学に興味を持ち、勉強している、ということは前回の記事で述べたはずだ。今回は、日本語ネイティブの日本人には想像に難いような、そんな日本語とはかけ離れた言語を紹介していきたい。

今回のタイトルにしている、コイサン語族。アフリカ南部で話されている言語である(厳密には、語族という広い括りであり、この中にいくつかの言語が存在する)
この語族、なんといっても圧倒的な特徴を持っている。そう、「クリック音」である。
もう既に、一般的な言語音とは違う音であるような気配がするだろう。なんと、このクリック音、一応日本人も使う機会がある。舌打ちである。

この動画は、コイサン語族に属する1つの言語、ナマ語(コエコエ語)である。動画の中で、この言語で使われるクリック音の説明がなされている。この言語の中では、IPA(国際音声記号)で定める5つのクリック音のうち、4つが用いられている。
1つ目は「 ǀ 」
音声学的には「歯吸着音」と呼ぶ。これが日本人のよく使う舌打ちの音である。実はこれ、この言語での「ごめんなさい」の表現に含まれているのだ!
道で黒人のおにいさんと肩がぶつかると、彼は「ごめん」と謝ったつもりが、舌打ちを…
そうなったら大体の日本人は漏らすんじゃなかろうか。
2つ目は「 ǃ 」
びっくり。これが感嘆の意図なく、文章中に現れるので、文章で見てもかなり特異に見えるのではないか。音声学的には「歯茎吸着音」と呼び、歯茎に舌を付けて、下顎にコン!と叩きつける音にあたる。
3つ目は「 ǂ 」
音声学的には「硬口蓋歯茎吸着音」と呼ぶ。うまく説明できないが、口腔の上側の、扁桃腺があって固くなってる部分に舌を当てて弾く音である。
4つ目は「 ǁ 」
音声学的には「歯茎側面吸着音」と呼ぶ。舌の先を歯茎に当てて、先はそのまま、舌の横のほうから音を出してみると、その音になると思う。カッカッケッケッという表現が近いかも。

舌打ち以外の音は、ボイスパーカッションでよく聞く音かもしれない。ボイパは人間の口を楽器として用いるものだと考えると、彼らの会話は僕たちの会話よりも楽器音に近いようなものなのかもしれない。

人間の言語は、他の言語と関わったり、長い時代を経ることで単純化していく傾向にある。これは普遍的に見られる現象であり、あまり経年によって複雑化することはない。人類の祖先はアフリカと言われているが、このクリック音も、アフリカ以外の言語では見られないことを考えると、アフリカに言語の祖先(世界祖語)があって、そこから他大陸に渡っていく段階でクリック音が失われ、結果的にアフリカにだけ残ったのではないかと考えることができる。

コイサン語族について考えていると、人類の祖先がアフリカである、という定説を裏付ける一つの証拠が出てきたような、そんな感じがするのである。

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