友情って/嘘/やきさば

女の友情はいくつになっても厄介だ。

ことの発端は、半年ほど前に先上る。
関東圏に住んでいる高校の友人たちと久しぶりに会うことになったのだ。
正直その時の自分は、大学の課題とサークルとバイトを両立するのに精いっぱいで、スケジュールに友人と遊ぶなんて予定が入る余裕は全然なかった。

それでもやっぱり久しぶりだし、なんとかして会いたい。キツキツのスケジュールをこじ開けて遊びの予定を入れた。

が、当日になって私は熱を出してしまった。
といっても、嘘だ。こういう旨のラインを入れたのだ。当日になって遊びに行くのに嫌気がさしたからだ。
日々の忙しさからの睡眠不足と、だるさが勝って、しかも交通費をかけて東京にまで出て、5000円ほど費やしてサバゲーをしに行くなんて言うから、無駄な出費だと思ったのだ。
東京に向かう前の予定をこなしてもう疲労は限界だったし、お金がないから東京まで出たくないし、第一サバゲーなんてあんまり興味ないし。アンタが好きなアニメとコラボしてるから行きたいだけだろ、そんなんに付き合わされてもこっちは何も楽しくない。

「そっか~体調大丈夫?じゃあうちらだけで楽しんでくるね!お大事に!」
まあ、嘘だと疑われてるだろうな…と感じながらとりあえずその日はそのまま見送った。

その二か月後、また遊ぼうという話になった。
嘘ついたことは反省して、今度はちゃんと予定を調整して、しっかり遊ぼうとわたしは気持ちを改めた、のだが。

その日は急にサークルが入ってしまった。しかもオーディション。遊ぶ日の二日前くらいに突然言われたのだ。
うちの音楽サークルは月に一回オーディションを開催していて、毎月レギュラーメンバーを更新している。レギュラーメンバーにのりたいわたしはこの日を休めるわけがなかった。
なんて間が悪いんだと思ったが、仕方がない。
正直に話して時間を遅らせられるかの提案、それが無理ならお断りのラインを入れた。

ら、キレられた。
「正直最近、わたしたちのことないがしろにしてない?こないだだってドタキャンしたしさ。ラインの返事だっていつも遅いし、もうそれなら遊ぶ必要ないよね。全然こっちはいい気がしないよ。もう終わりにしよう。」

…は?

なんでいきなりキレられなきゃいけないんだ、ドタキャンって言われてもこっちだって先輩にいきなり言われたんだから、どうしようもないって言ってんじゃん。ラインの返事が遅いとか別にしょうがなくね?気づいたら返すようにしてるし、第一いつもどうでもいいやりとりなんだから、別に遅くたっていいだろ。ラインの返事が遅いから怒るなんてメンヘラかよ!意味わかんな!こっちはこっちで予定があるんだよ!

が、ここはこらえた。高校の時の一番の友人たちをこんなところでなくすわけにはいかない。嘘をついたのは悪かったし、わたしに非があることは確かだ。

怒りをぐっとこらえ、イライラしながらごめんなさいという旨のラインを送った。
すぐに返事が来た。

「わたしも怒りすぎちゃったかも!ごめんね!でもやっぱりやきさばにはもう少し自分のスケジュール管理を頑張ってほしいなあ…。無理なら時間を遅らせて代替案をたてるとか!これからは気を付けて!わたしもこんなことで喧嘩したくないからこれからもよろしくね!」

カチーン。なんなんだこのテンション。なんなんだこのわたしが許してあげてる感。
だいたい、スケジュール管理頑張ってって、オーディションのことは突然言われたんだから
仕方ないって言ってんじゃん、しかも代替案をたてろってたてたらそっちが勝手にキレたんだろ!?意味わかんな!こいつ、私が謝ったのをいいことに調子乗ってるだろ!人の行動に文句つける前に自分の行動見つめなおせよ!

このラインには既読だけつけて終わらせた。

そして今、また遊びの予定がたちつつある。
ここまで本心とは180度違う嘘のラインを送り続けたが、次はどうなるのだろう。
わたしは心から友人たちと遊べてよかったと思えるのだろうか。
嘘で固め続けた友情、次回作に期待。

1 vote, average: 5.00 out of 51 vote, average: 5.00 out of 51 vote, average: 5.00 out of 51 vote, average: 5.00 out of 51 vote, average: 5.00 out of 5 (1 投票, 平均点: 5.00,  総合点:5  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「友情って/嘘/やきさば」への5件のフィードバック

  1. うーん。どちらがいいか悪いかは置いといて、自分の行動を分析できている割には、少し独善的な考え方だなあと感じました。
    そのせいで、共感を求める力が少し弱いように見えます。
    感情の勢いの描写は好きです。畳み掛けるようで、話し言葉をそのまま書き起こしたような、単純でストレートな言葉。

  2. まあ怒られることもあるわなあ、とも、そもそもこれ予定断ればとも色々思うところがありますが。主人公の主人公目線で送る主人公の愚痴であるだけに、万能感のある視点で楽しめました。これにコメントすると物凄く私的なものになってしまいますね。
    実話、女の友情の裏側、みたいな内容で面白いは面白いし、その内容を語る書き方も合っていたと思います。ただネタとしてのインパクトに欠けるかもしれません。

  3. あるある過ぎて。耳障りのよい嘘の応酬がたまに切れて衝突したりぎくしゃくするあの感じ。とてもよく伝わる文章で、鳥肌の立つ思いでした。
    前半のことの推移が(当たり前なのですが)過去形で区切られていて、一部読みにくく感じてしまう部分もありました。
    ただその淡々としたタメが後半のぶちギレを面白くしているので、なんとも言えません。

  4. ニヤニヤしながら読んでました。あるあるでもどかしいくらいです。ラインすぐ返さないことに言及してくるやつなんなんですかね…Twitterのリプにしろよって何回言ってると思ってんだ!?!?

    とまぁ私情は置いといて、感情むき出しの文で好きでした。嘘というテーマで女同士の友情…面白くないわけがなかった。文体として流石に話し言葉すぎるな?というところはありましたが伝わります。

  5. 人を共感させやすい文章だな、と読み終わって感じました。
    きれいな言葉で纏められているわけでもなく、感情のままに書いている(ように見える)。同じような経験を少しでもしたことがある人なら、すぐにでも共感できるのではないでしょうか。
    逆にその様な経験がない人にとっては随分と暴力的で独りよがりな文章に見えるかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。