1限チャレンジ/距離/さくら

「きみ出身どこ?」
「横浜だよ」
「いいね~実家生か~」
「市内だけど、1時間半くらいかかるよ」
「ウソ!? 遠いね」

「一人暮らし始めたんだ~」
「いいね! 実家どこだっけ?」
「埼玉だよ」
「でも結構近いんだね」

前者は自分、後者は友達の話で、どちらも大学入学から話した経験のある話題だ。横浜市民であるということは、一見して実家から楽に登校できるのだろうという予測を生むが、これは大きな間違いである。横浜市は広く、またお世辞にも交通事情は良いとは言えない。それは、横浜国大付近(最寄り駅から徒歩18分程度)もそうだし、郊外の住宅地もそうだ。

そこで、あることを考えた。

「どこまでなら、物理的に1限に間に合うことができるのか?」

~1限チャレンジ~

今回の想定は、教育人間科学部の生徒が主に使う3つの棟のうち、間を取って「教育7号棟」に間に合うかどうかを想定する。
1限の開始時間は、8時50分。多くの先生が、授業の開始時間をチャイムに委ねているので、チャイムが鳴り切ったタイミングを以って、教室にいることができればチャレンジ成功とする。
まず、前提条件として、現在チャイムの鳴る時間が電波時計の定時より遅いことを考慮する。また、チャイムは1秒1音のペースで、24拍鳴り続け、最後の1音の後に余韻があるため、鳴り始めてから30秒程度の余裕がある。以上から、電波時計ベースで行くと、8時51分までは定時と見做してもよいことになる。
続いて、バスか徒歩かという点について。横浜駅西口から横浜国大へ向かう、1限に間に合う終バスは8時18分横浜駅西口バスターミナル発である。しかし、ブルーラインあざみ野行きで、歩いて間に合う終電(8時27分三ッ沢上町着)が横浜駅に8時23分に着くことを考えると、チャレンジには電車のほうが向いているといえる。
さらに、駅から学校まで、走ることで時間を短縮することができる。経験則、走ることで駅から教室までの時間を15分程度まで縮められるので、ここでは、歩いて間に合う終電の1本後である、8時32分三ッ沢上町駅着を終電と見做す。また、同様に逆方向の終電を8時33分三ッ沢上町駅着に設定する。筆者は利用したことがないので推定になるが、同程度の距離と考えて和田町駅の終電を8時29分和田町駅着とする。

ここからは、文明の利器。Yahoo地図(http://map.yahoo.co.jp/maps)に協力を仰ぐ。「平日」「8時33分」「三ッ沢上町駅着」という条件の元、各駅からルートを検索していく。有料特急・新幹線・飛行機、公共交通機関ならなんでもありだ。

まず8時発の壁を調べてみる。驚くべき結果が出る。

なんと、8時の壁は県境を超えたのだ。8時の壁は東京駅にあった。8時00分東京駅発ののぞみ207号が、三ッ沢上町駅着の終電に繋がるのだ。これは、さらなる記録が期待できそうだ。

さあ、本題に進んでいく。主要駅から、三ッ沢上町駅・和田町駅への始発を調べ、先ほど設定した便に間に合うかを調べていく。

【候補1】 白河駅(福島県)
…は?東北じゃねーか。

とまれ、事実である。5時20分白河駅発の始発列車が、那須塩原で新幹線なすのに繋がり、こだまに乗り換えることで7時56分に新横浜駅に到着。8時03分には三ッ沢上町入りを果たし、無事登校ができるのだ。

【候補2】 長野駅(長野県)
技術発展は素晴らしいもので、長野からも通学が可能だという。6時02分長野駅発の新幹線あさまから、のぞみに乗り換えて新横浜駅へ、そこからブルーラインで三ッ沢上町駅に8時24分に到着。無事間に合う。

【候補3】 越後湯沢駅(新潟県)
この距離では事前に予定を組んで満を持して行くところ、旅行として行くところ、というイメージがある越後湯沢。ここも、6時07分発のMaxたにがわに乗車することで8時29分に三ッ沢上町入り。毎日の通学を実現する。

……

まあ、とりあえず関東から足を伸ばせたくらいか、という気持ちで、今度は東海道方面に検索を進めていった。すると…

【候補4】 西明石駅(兵庫県)
はい。お前優勝。まさか関西から始発で1限の授業に出られるとは思わなかった。
1限にいつも遅刻しているそこのキミ。「家が遠いから」とか文句を言ってないか? もちろん、それぞれのダイヤはあるものの、兵庫県からでも1限に間に合うんだぞ!!
…と少し極論になったが、4時46分に西明石駅を出たJR山陽本線は、東海道本線を経由し、新大阪駅へ。6時03分に大阪を発つと、8時08分にはもう新横浜へ。「夏休みには里帰り」、それが普通だと思っていたが、なんと(お金さえあれば)実家から毎朝登校が可能なのだ!

その距離、営業キロにして588km。片道運賃は14,397円になる。通しの定期券は存在しないので、分割しつつ定期を買うと、1年でかかる定期代は…

348万0320円

348万円で、僕たちは600km離れた西明石にある実家から通学ができるのだ!! ちなみに、日本の文化の発展に貢献した人物に認められる「文化功労者」に認定されると、文化功労者年金法に基づいて国から年間350万円が支給されるので…

文化功労者に認定されると、支給された金額で西明石から横浜国大に通学できる!

というわけです。兵庫から国大に通学したいなあとお考えの皆さん。「文化功労者」、ぜひご検討ください。

 

最後に距離について、もう一度話してみようかと。今回の調査では、東海道新幹線が最強という流れになった。しかし、「中央リニア新幹線」構想は皆さんもご存じであろう。これが大阪まで開通すると、67分で東京大阪間が結ばれると試算されている。約500kmが1時間と少しで結ばれるとなると、距離感覚が今とはさらにかけ離れたものになっていくんだろう。

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「1限チャレンジ/距離/さくら」への1件のフィードバック

  1. 饒舌な語りに不条理なオチ、面白かったです。今回「家から大学までの距離」で書いた人は多かったですが、一番ロジカルにまとめられていたのはこの文章ですね。鉄魂が伝わってくる書き方は個人的に好みですが、元から興味のない人には少し引かれてしまうかもしれません。かといって文体を直しても、せっかくの良さが失われてしまう気もしますし。難しいところですね。

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