わたしのアンテナとペ・ドゥナについてのこと/身体/T

好きな人がいると、そんなことする必要ないのに、その人の魅力を他人に伝えたくなる感情は何なんだろう。

男友達と、お互いの好きな人の話をする。お互いその子のどこがいいかについて回答しあう。私は高校の時に好きだった女の子の、腕の動かし方がすごく好きだった。でもそんなこと人に言ったって伝わらないだろうし、なんか身体が好きなのって言ったら、え、カラダが好きなの?ってなっちゃうだろうし、難しいよなぁと思う。実際それが完全に的外れではなくて、異性の身体だし意識しちゃうところは意識するし。だからだいたいはその人のなんとなく雰囲気が好きってあいまいに答える。それぞれが自分しか持っていないアンテナで感じる部分だから、上手く言葉にして他人に伝えるのは難しい。それだから、この人が好きなんだよねー、えーどこがいいのっていう友達との会話が存在していて、こんなに素敵な人なのに魅力がうまく伝わらねえってもどかしくなったりするのだ。そのみんなのアンテナの違いが、日々生きていて面白いって思うところの一つだったりするけれど。

 

 

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数年前からずっと、ぺ・ドゥナという韓国の女優が好きだ。(上の写真の人。)

以下、簡単なペ・ドゥナのプロフィール。

1979年ソウル生まれ。女優。韓国の映画やドラマを中心に活動しているけれど、日本の映画に数本出ていたり、最近はハリウッドに進出したりしている。公式Instagramとか見ていると、たまに日本に来ている。(…だからいつか会ってみたい。)今、36歳。

 

最初にペ・ドゥナのことを知ったのは、2009年の是枝裕和監督の「空気人形」という映画を観たときだった。心を持ってしまったラブドールというちょっとドキドキする役でその映画に出ていた女の人を見て、あ、この人すごく素敵な人だって思って、それから調べて彼女が韓国の有名な女優だということを知った。気になって彼女が出演しているほかの映画を観れるものはほぼ観て、観終わった後には完全に惚れてしまった。(さっきの是枝監督の「空気人形」公開時のインタビューによると、魅力的すぎて現場のスタッフ全員が彼女に惚れたらしい。。)

 

ペ・ドゥナはモデルもやっていたり(身長が171cm!)して、写真の中でとどまっている仕事も多い。でも彼女が一番魅力的なのは、その身体が動いているときだと思う。画面の中で動く彼女は、ずっと見ていても飽きないのだ。ふわふわ歩いていたと思ったら突然力強く走りだしたり、柔和な表情から謎の強い意志を伝えてくるような目をしたりする。一つ一つの仕草がすごくかわいらしいけど、ひんやりした、周りをよせつけない雰囲気も出すことができる。(あと私は、すごく疲れた表情をするときが好き。。)

なんていっていいか分からないけど彼女だけが纏っている空気があって、その中で生きているような気がする。独特な雰囲気だけど、物語の流れの中で役の感情の動きにきちんと沿った演技をするから映画からはみ出ることはない。すごく自然。それでいて主演だろうと脇役だろうと観ている人の心にポンって残るのだ。

 

色んな作品を観てペ・ドゥナのことが好きになってしまったけれど、どうして語っててこんなふうに気持ち悪くなるくらいこの人にハマってしまったのかなあと思う。彼女は役者だから、映画の物語の中で、その役として生きているところしか私は見ることができない。口に出す言葉は、台本に書かれたもので。それに彼女は韓国の人だ。たまにYoutubeで彼女が出ている韓国のバラエティーとかニュース番組のインタビューとか見てみるけれど、韓国語分からないからどんなこと言ってるのかもほぼ分からない。(そもそも身近にいる人じゃないんだから、彼女について多くを読み取ろうとすることが不可能なんだけれど。でも、好きな人のことだから知りたいんだよねぇ…。)

でも仕草、目線、表情から、彼女の内面的なもの、強い意志とかが垣間見える瞬間はあるような気がするのだ。役を超えてにじむ人間性。…それを見て、たぶん割と気強いんだろうなとか考えて、ドキドキしたりするのだ。(ほんとクソ気持ち悪いけど。。)

 

 

好きな人について語るとき、顔や体が好きなの?それとも内面?って分けて考えることがある。でも私たちが他人の性格的なものを読み取るのって、発する言葉だけじゃなくて、顔の表情やひとつひとつの仕草とかいったもっと身体的なものによることもあると思う。そしてそれらは、その人の人間性をそれなりに正確に語っているように私は思う。人の内側と外側って明確に分けられない曖昧な部分。私が持っているアンテナは、たぶんそこに反応している気がする。

 

…いつかペ・ドゥナに会ってみたい、まじで。あと彼女の出演作品の中ではポン・ジュノという監督の「ほえる犬は噛まない」という映画がおすすめです。動くペ・ドゥナをぜひ観てほしいのです。(…お前はいったい誰なんだ。。)

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「わたしのアンテナとペ・ドゥナについてのこと/身体/T」への4件のフィードバック

  1. アンテナに例えた表現が大変素敵で、私はそのTさんの言葉選びに惚れた。小説なんかに使えそうで、羨ましい。
    情熱を込めて語られる好きな人個人の魅力の語りも感情に揺さぶりをかけてくるが、それ以上にそこからくる考察が優しさのある視点からものが見られていて、素敵だなと思った。男性の文章にしては感情の表現が細やかで柔らかく、美しく、パンチはないがなんだか心が暖かくなるような思いがした。その良さを活かすために、時折入る自信なさげな卑屈感を醸し出す()の中身の予防線などは取っ払って良いと思う。好きから溢れる情熱の勢いを殺すのは少々勿体無い。

  2. ()にTさんらしさがぎゅっと凝縮されてる気がして面白かった。ただただTさんの趣味趣向をつらつらと語られてるだけなのにこんなにも引き込まれたのはなぜだろう。読んでてすごく楽しかったし、韓国の女優さんも見てみたくなった。自分語りが上手ですね。あと、わたしもわたしの好きな人の身体的な部分が好きだったりします。唇の形とか動きとか。だから引き込まれたんですかね。

  3. なんていうか全然別グループの者なんですけど、文章自体も「すき!」であふれてて水が形を変えてほとばしるみたいにうつくしくて、さらにはコメントもそれにふさわしく美しくてここまで含めて作品です!って言いたくなるようなもので、とにかく本当に本当や素晴らしいものを見たという思いでいっぱいで、こんな感想を書いていいのか戸惑いつつ、でも今日は文章を話し合う時間がなさそうだからと言い訳して、失礼しました!

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