帰路/棘/みくじ

 

 
坂。
帰路。
帰り道。
嗄れた声。
カラスの声。
猫が横切った。
ふと立ち止まる。
他に人も通らない。
長い坂を下っていた。
右の足のうらに違和感。
親指から少しかかとの方。
ちょっと痛い。刺さってる。
きっと、中に何か入っている。
大きさから考えて小石ではない。
まさか虫がなんてことはない。
と信じたいしそうなかろう。
そもそもいつ入ったのか。
今日ずっと履いていた。
脱いでないのにいつ。
きっとこれは棘だ。
植物かなにかの。
どこから来た。
どうやって。
いつから。
入った。
痛い。
棘。

 
________________

 

 

人差し指の手の甲側、第二関節に細かい線の跡がついていた。
白く細い引っ掻き傷が狭い等間隔でたくさん。
引っ掻き傷のスタート地点だけちょっと傷が深いらしく、赤みが出ていた。
気がつく前は痛みも何も感じなかった。
気づいてしまうとちょっと痒い。
掻きむしったらすぐ治りそうなものが悪化するかもしれない。
痒い。
こんな傷どこで。
いやこの細かさ。
細かく鋭いもの。
そうか、テープカッターか。

 
________________

 
私はサボテンが好きだ。
漢字で書くと仙人掌。
多肉植物で乾燥したところでも水分を溜め込み育つことが出来る。
もちろん私も鉢で育てている。
本当は部屋中をサボテンで埋め尽くしてサボテンの国を作りたいのだが、家族と暮らすにあたって一つに留めている。
私は身の回りの物に名前を付けたがりだから、サボテンにも名前がある。
能登。由来は品種のノトカクタスから。
小さくて丸い、細かい棘がびっしり。
実はダイソーで買った。
近所の大型ダイソーにいくつかサボテンが並んでいたけど、能登は群を抜いて美しく、可愛らしかった。
鞠のように丸っこく、細かい棘は産毛のようで、蛍光灯の下で柔らかく輝いているように見えた。
そんな能登は今、私の部屋の窓辺でてっぺんに黄色い花を咲かせて陽を浴びている。

0 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 5 (0 投票, 平均点: 0.00,  総合点:0  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「帰路/棘/みくじ」への3件のフィードバック

  1. 文章での言葉遊び、特に視覚に訴えるトリックは面白かったです。前半は詩みたいで、特に意味はないのだけれど。
    ただそれだけに始終してしまって、文章全体のつながりが希薄に感じました。全く別の人の作品をつぎはぎしたような印象を受けました。

  2. 文字を用いた図形は素直に感心した。ただ、確かに他の文章との関係性があまりないように感じるし、区切っているのがさらにそうさせる。テーマがそれぞれ棘なのにも関わらずなぜだから統一感がない気がした。

  3. 言葉で形をつくりつつ意味も通るような文章をつくるのは単純にすごいと思った。ただ他の人もいっているけどそれぞれの文に関連性が感じられない。なにか一つわかりやすい伏線的なものがあるだけでも違うと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。