妄想ララバイ/妄想/仄塵

一時期はよく眠れない。そこで目を閉じてなんらかの妄想をしていたら、いつの間にか寝付いて、目覚めばもう朝になる。「普段から妄想してる!」って言うのは恥ずかしいが、妄想は私にとって睡眠薬みたいなものだ。

ここで特別に妄想の内容を初公開したい。初公開というほどの内容もなく、非常にベタなものだが。イケメン俳優と偶然に出会い、恋を落ちるストーリーとか。または彼氏の看病にスーパーの袋を持って彼のアパートに行ったりとか。意外と恋愛ものが多い。しかし妄想といえば多くの場合男女関係が絡んでいるのはなぜろう。中学校の時に恋をした男子と曖昧な関係が終わった以来、「この人のことが好き!」という感情を中々抱かなくなってしまったが、恋愛ドラマや小説見て、恋をしたいという気持ちになったことはやはり少なくない。多分子守唄の役割を果たしている妄想が、時々主張してくる自分の感情の不完全な部分を補ってくれている。

しかしそれらの妄想が、一度も夢で見たことがない。奇妙な夢を見る人や、予知夢を見る人が羨ましく思い自分は、過去にあった出来事や未来に発生するであろうで出来事の夢しか見ない。夢が叶うことがとても素晴らしいことだとされているが、夢さえもなれない、夢より実現への道のりが長い妄想は、夢よりも頼りがなく、下級の脳活動になる。

もちろん実現の可能性だけで妄想の価値を判断するのも不公平である。妄想は実に夜に見る夢よりも、胸を膨らませて見る夢よりもハッピーで幸せな気持ちになる魔法がいっぱい。未来への憧れとしての夢は、努力を重ねば実現するものだが、現実に近ければ近いほど現実を持っている残酷さと合わせて受け入れなければならないが、妄想はどちらかというと奇跡に近い。それを現実にする方法さえ思いつかないからこそ、そのユートピア性が保つ。

私の夢、それは他人のものである可能性もあり、社会が私に望むものでも言える。夜に見る夢、それは確かに私の脳が勝手に脳波を出して私に見させてる幻影だが、何者が私の脳波、私の無意識を働かせたのは不可解で、脳にメスを入れられたような恐怖さえ覚える。妄想という積極的な攻撃手段こそ、そのメスを差し伸べている手を撃破する策なんじゃないかな、と思うのであった。

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「妄想ララバイ/妄想/仄塵」への3件のフィードバック

  1. 妄想とはなにか。私もまずその定義を考え込んでしまって、今回いつにない難産でした。
    妄想は下級の脳活動という言い回しとか、夢が現実に妥協してしまう点で、夢よりも夢あるものであるとする考察がとても面白く、つい納得したくなりました。いつも通り説得力のある文章で、毎週密かに楽しみにしております。話の流れも急でなく、とても読みやすかったです。欲をいうなら、もう少し補足説明があると、ゼミのラカンなど読まなくてもわかる文章になるかなと。

  2. 確かに妄想は大概奇跡的な要素が強くてほとんど実現が不可能だと言われて初めて気づいた。夢もただの無意識から生まれる幻影ではなく、誰かの手によって見せられているものだという考察はパラノイヤに近いとも感じたがこれはこれでおもしろいと思った。

  3. タイトルが語感にしてズバリすぎて地味に凄いと思います。
    妄想は「こうなったら良いな」と想像するものですが、逆に遠すぎるからこそ身近に起きた出来事に影響せずに存在出来るものだと思います。好きな作家さんは恋愛小説を「シミュレーション」だと言っていました。事実は小説よりも奇なりともいいますし、妄想にも現実における価値があるんじゃないかと思います。

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