憧れと妄想と現実/妄想/T

バンドやってるんですって言うと、え、お前が。。みたいなことをよく言われる(わかるけど)

この間も髪切りに行ったら、美容室のきれいなお姉さんに、「君、バンドやってるんならもっと髪ツンツンさせたりしたほうがいいよ」とかニヤニヤしながら言われて、カット終わった後にワックスをベタベタ頭に付けられた。(全く似合わなかった。)…お、お姉さんの頭の中のバンドマン像がどんな感じなのか分からんけど、俺みたいなもっさい奴だってバンドやるんすよ!って言いたくなったけど、お姉さん超優しかったし、ニヤニヤしている目がとってもセクシーであったから、私は何にも言えずにヘラヘラ笑って、無駄にベタベタする頭のまま帰宅した。(童貞だってバンドやるんすよ…)

 

高校で始めて、大学に入ってからもまた別のバンド組んだりしてなんとなく続けている。最初は、高校に入ってこれから何しようって考えた時に、そうだバンドやろう!!ってなって、幼馴染の友達とドキドキしながら始めた。バンド組んだ友達の1人はもうすでにギターを弾いていて、もう一人はドラムやりたいって言ってたから、私は余っていたベース担当になった。それでその時決まったまま、今までベースを弾いている。(ベースは地味で人気が無いみたい。。)

音楽がなんとなく好きで、運動は嫌いで、でも吹奏楽とかに興味が湧かなかったこと。好きなバンドが幾つかあって、その人達みたいにやってみたかったし、自分たちで曲作ったりしたら面白いかもって思ったこと。そんで色々やってたら、もしかしたら大好きなあの子に振り向いてもらえるかもしれないし、もしかしたらライブ終わった後とかに、突然肩叩かれて振り向いたら「Tくん、かっこよかったよ!」とか言われちゃうかもしれないとか思ったこと。バンドやったら、普段クラスの隅っこで地味~に生息している自分も多少は変われるかも…とか最初は思いながら、お小遣いを貯めて買ったベースをベロベロ練習していた。各々で練習して、それをだんだんバンドで合わせたりして、コピーから始めて途中からなんとなく自分たちで曲作るようになって、演奏できる曲が増えたから文化祭とかライブハウスとかでライブしたりするようになった。

でも、結局どこにいっても自分は自分のままだった。文化祭でもライブハウスでも、イケメンで友達がいっぱいいて、たぶん運動も普通にできる(偏見)男の子がいるバンドのときはキャーってなってて、ヘロヘロした私達が出ていったらサーって人が最初からいなくなってて。少しだけいる観てる人も、隅っこにつっ立ってるベースの方なんか見てないし。ライブ終わった後に、あいつら顔カッコいいけどやってることクソダサいやん何がいいのとか言って、他のバンドメンバーと一緒に中指を立てて呪ったりしたけど、そんなことしてる自分もダサくていやになった。

それで文化祭の日も、好きなあの子は風邪でお休みだった。ライブ観てる人も少ないし、あの子はいないしで、もうどこに向かって演奏すればいいか分からなくなって、身体から力が抜けたみたいになった。文化祭のライブはほんと散々だった。

 

それでも、そんな感じでもずっとやってると少し褒めてくれたり理解してくれる人がいて、それが本当に嬉しかったりした。でも何をやってもどんだけ頑張っても、人生のこのどうしようもない感じから俺ははずっと逃れられないのか、、って事にもバンドやってて気が付いた。中学のプールの授業のときに、イケてる男子たち(だいたい運動部)は向かい側の女子が使ってるレーンの近くでバシャバシャ楽しそうにはしゃいでいて、どうしようもない僕たち(だいたい文化部or帰宅部)はプールサイドの壁の方にへばりついてチャイムが鳴るのをずっと待ってる。あれみたいな感じがずっと続くということ。

 

自分がバンドをやっている、続けているのは、その自分の人生のどうしようもなさから生まれるモヤモヤした感情(妄想している理想と現実のギャップからくるものが多いかも)を、大きい音を出したりして発散させたり昇華させたりするための作業が必要だからだと思う。でもそれと一緒に自分の人生を受け入れて、自分のなかで咀嚼して納得するための作業でもあるかもしれないと大学生になった最近は思うようになった。

バンドやってて本当に好きな音楽も単純に増えたし、それが根幹になっている自分の思想みたいなものもあるように思うくらい、今の自分の中で大きいものだ。それらはこんな人生じゃなければ出会わなかっただろうし、好きにならなかったものばかりだとも思うから、そう考えるとまあ今まで辛かったこと嫌だったことも必要なことだったのかなとか思ったりしている。(二度と戻りたくはないけど)

 

 

 

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「憧れと妄想と現実/妄想/T」への2件のフィードバック

  1. バンド、いいですね。そんな素敵なものに出会えたTさんは人生万々歳だと思います。Tさんがバンドをやるのをこれから先誰も邪魔してきませんように。Tさんの文はいつも一気に読めて不思議です、とても読みやすいのでしょうか、羨ましい。

  2. 個人的なエピソードにはここでは口を挟めないので、構成に関して。
    文化祭は散々だった〜から、それでも、理解してくれる人がいた〜の流れが急転直下のような印象を受けました。というより、どんな人が君を支えてくれたのか、知りたいと思ったけど教えてもらえなかったから不満に感じてしまったのかも。そこから気持ちが乖離してしまって、文字を追うだけになってしまいました。もっとちゃんとしたことが書ければいいのですが。すみません。

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