ちりぬる/模倣文/三水

召集令状が来ました。
イオリちゃんのところに。家族は赤飯を炊いたそうです。
ロミちゃんのところにも。長くて綺麗な髪を、ばっさりと切ってしまいました。
ハルナちゃん。彼女はお話を書くのが得意で、戦さ場では隊長になるそうです。

 

そうして四十七人の娘たちが出征し、冬の窓ガラスの軋み、私はそのたびに裁縫道具から糸を取り、針を取り、心を込めて縫い目をつける。

 

 
私にも召集令状が来ました。
私は戦後生まれだし、この令状というのもあんまり綺麗な紙でもないし、昔にいたという歌人のうたを、
『海恋し 塩の遠鳴り数へては 少女となりし……』
裏面に書いて捨てた。

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「ちりぬる/模倣文/三水」への2件のフィードバック

  1. 最後の終わらせ方がちょっと雑かな(今までの丁寧な語り口調に合わない)って思いました。
    せっかくいろはを出したのでかるたとか何かとかけてみても面白いかもしれません。
    表現はうまいと思います。
    全体のストーリーについてどういうものを作ろうとしたのかわからなかったので、それはWSでお聞きしたいです。

  2. 表現はいいと思うけどなんだか雑な感じがして、発展性がないなあと思った。でも、ちゃんといつも三水さんの文章を読んでるんだろうと思った。

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