一ヶ月早い/夏/どみの

実家に帰ると玄関先に家紋の入った提灯が2つぶら下がっていた。

一般的にお盆と言われるものは、8月にみんながこぞって帰省する時期とか、お店が休む時期とかイメージする一方で、お盆というものを上京してからはほとんど見ていない。

あと、もともと私の地元は四季の行事を正規の日程で行わないことが多々あり、お盆も同じで7月の中旬にいつもやっているため、8月のお盆休みはピンと来なかったりする。

田舎自慢をするわけではないが、実家は、というか私の地元の地域は、おじいちゃんおばあちゃんばっかりなので、お盆には伝統行事を毎年おのおのの家庭でやるのが通例だったりする。

お盆の時期が近づくと、お母さんとおばあちゃんとお墓掃除に行くのが決まりだった。家から3分ほど歩いた山の中にお墓があり、そこそこ敷地もあるため草むしりがとにかく大変。でも手伝うとお小遣いがもらえるという現金な理由で中学生の頃までは毎年やっていたと思う。

お盆を迎える前日には、和室にある仏壇の前に大きなテーブルが置かれ、その上に仏壇から取り出したものと、野菜や花ものなどのお供え物がぎっしり並べられる。よくイメージされるキュウリの馬とナスの牛もちゃんと飾り付けていた。これを小さい頃からおばあちゃんと作っていたのが懐かしい思い出である。

 

今回の帰省は迎え火に合わせて帰ってきた。

小学生の頃までは川べりまで行ってやっていたが今では、いろんな規則のため家の前の排水口の金網の上でこじんまりと麻の枝を燃やす迎え火。

もくもくと上がる煙に思いを寄せ…といきたいところだが、正直おじいちゃんもおばあちゃんもまだ元気なため、ご先祖様を迎えると言ってもピンとこない。おじいちゃんの親にあたる人が、ぞろぞろ来ているらしいのだが、名前も知らなければ顔も知らない。からイメージのしようがない。

 

ちょっとはしんみりした気持ちになるのかなとも思ったが全然そういう気持ちはわかない。そういえば小さい頃は何を勘違いしたか分からないが、この煙に向かってお願い事をしていた気がする。

 

結局、私はお盆はちゃんしているよと主張しようと思って文章書いていたが、先祖のことなんか真剣に考えたことあんまりないのが露呈しただけだった。だんだん実家に帰るのが少なくなるとそういう行事すら個人的にやろうと思わなくなるだろう。

それを考えるとそっちの方がよっぽど切ない。伝統行事って何やってるかわかんないこともあるけど、そういう行事すら消えてしまうのは寂しいことだなって。

 

送り火の前にはアパートへ帰ってきてしまうけど、一応連れてこないように気をつけとこうとは思う。

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「一ヶ月早い/夏/どみの」への1件のフィードバック

  1. 改行が読みにくさを感じました。
    迎え火ってあんまり実感わかないですけど、ちょっと不気味だったりします。あまり、ご先祖様が来るとからへんの話は信じてないのですが、火の揺れが妙にリアルで気持ち悪くて、高校生くらいになってやっとその行為の真意を知った覚えがあります。

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