一夏の/夏/YDK

あ、天井白いなー。

 
自分の上で腰を振っている男の顔が横にあるのをいいことに、テキトーな顔をしてそんなことを考えるけど、音は大切だからリズムに合わせて少し湿度のある、艶っぽい声を上げる。最低限のお仕事だ。

夏。一夏の過ちとはよく言ったもので、虫がわらわら出てくる傍で変な虫もゴロゴロ出てくるらしい。みんななんとなく性欲が強い気がする、気のせいかもしれないけど。かくいう私は例に漏れず、漠然と人肌を求めている。別にやりたいとかじゃないと口ではいうけどたぶん口だけで、始まっちゃえば入っちゃうのは自明だ。駅を歩いているだけで穴を求めた棒は寄ってくる。そこにはお金も発生したりしなかったりするけど、もはや誰でもいいんだろうなと思う。普通に気持ち悪い。でも気持ちもわかる。夏だし。ワンナイトラブはよく創作でも見るじゃない。

 

やってるときの自分が一番好き。共感してくれる人いないかなぁ。普段の私にはなにもないけど、してる時だけは確実に「女」って言うオプションがつくし、役割が決まってるからそれを演じきればいいだけ。普段は甘えたりできなくてもこの時ばかりは気が大きくなる。これ以上に楽なことも居心地がいいことも知らない。相手がいくとこまでいってくれれば嬉しいし、幸せだ。自分は最悪どうでもよくて、もはや誰かと眠りたいだけなのかもしれない、なんて。

どんな人間だって夜は生物としての「ヒト」になる。生身の、どろどろしてぐちゃぐちゃな、生温い存在。だから脆くて愛しいような気がするし、求めてしまうのだろう。その行為は、一体なんなのだろう。何かの映画で、「愛とは嫉妬混じりの強い性欲に過ぎない」という言葉があって胸をかき乱された覚えがある。なんだかんだ人を愛し愛されていたい私は、単なる性欲オバケなのかもしれないけど、それを認めたくなくて今夜もからっぽな愛を求めて天井のシミを数えている。

0 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 5 (0 投票, 平均点: 0.00,  総合点:0  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「一夏の/夏/YDK」への3件のフィードバック

  1. クリープハイプのエロって曲思い出しました。夏のうだるような暑さって、冬の寒さよりも衝動的になるイメージがありますね。来てる服の枚数がすくないから?私は特に夏に込み入った話があったことがないですけど、それもまた一興なのかもしれませんね。

  2. 前のコメントにあるけど、クリープハイプのエロ、わかります。
    YDKさんにしか書けない文、私が書いてもきっとカッコ悪くなる。
    いや、決してこれがかっこいい文ではないと思うのですが、自分のことが書けない私としては、(この文章中の私がご本人だったら、ですけど)カッコいいな、と思います。
    YDKさんのこういう赤裸々文?ってクリープハイプ感ありますね。
    内容にビックリしすぎて、ここをどうこう、とか言えないです。ごめんなさい。

  3. 某漫画でも夏はそういう過ちが発生しやすい統計が出てたような
    内容が内容だし自分との壁があってコメントしづらいです

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。