トワイライト・セブンティーン/夕方/jboy

 黄昏。

曰く、日が落ち薄暗い時分を指す言葉であるが、転じて盛りの過ぎた様を表す。

しかし専ら現代的な使われ方は、遠くを眺め一人物思いに耽っているというものだろう。 

 

 17歳は黄昏時である。昼と夜の境目であり、どちらの要素も残しつつ、それでいてどちらとも全く異なった性質である。境界がぼやけ、輪郭があいまいでそれでいて美しい。        彼らは大人だろうか、それともこどもだろうか……。どちらも間違いでどちらも正解。体はほぼ大人として完成しているのに、中身には未熟さが残る。法的には煙草も酒もダメ、参政権もない。

早く大人になりたい。でもこどものままでいたい。心と体が不調和で、自分というものの実体が曖昧なのだ。 

これが15歳や18歳だと少し話も変わってくる。15歳は義務教育の範疇であり、一応20歳までは5年も猶予があると思い込んでいる。体つきもまだまだ幼い。                18歳に至っては、社会人として世間では評価される。加えて選挙権ももらえる。法律や社会の評価は怖いもので、人間の無意識に作用してくる。つまり大人の心にならざるを得ないのだ。 

17歳は絶妙に忙しく、絶妙に暇なのだ。そしていろいろなことに、世界の様々な現象に興味を抱き始める哲学的萌芽が起こるのだ。故に多くの悩みや葛藤を抱えるのである。人間関係、異性、将来のことetc.

 

 この、どこからともなくやって来る、何かとてつもない大きな不安は一体どうしたらよいのだろうか。最近になって思うのは、人間は悩むべき時に悩まなければならないのではないかという、一つの答えである。つまり、諦めて受け入れるしかないということ。                            そしてこの悩みは、とても個人的なことで絶対に他人にはわかってもらえないと思い込んで、一人殻にとじ込みがちになるが、たいていの人はこうした経験を経て大人になっていく。にもかかわらず当時の自分は、これが大人になるためのある種の通過儀礼だとは思えないのだ。体も大きくなり、どんどん大人になっていく自分を、自分の中のこどもの領域が引き止める。

「ボクを見捨てないで。まだそっちに行くべきじゃないよ。」 

こう考えたとき、大人になるためには、自分の中のこどもを情緒的に殺す必要があるように思われてくる。本当の殺人のように、ナイフでブスリと刺してしまうように、あることがきっかけで一気に大人になるということは無きにしも非ずだが、たいていの人はこの情緒的殺人をじっくり時間をかけて行う。いずれにせよ、「自分からの自立」なしに大人になることはできない。

 

 17歳は,煌めいている。その首に縄をかけながら……。

0 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 5 (0 投票, 平均点: 0.00,  総合点:0  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「トワイライト・セブンティーン/夕方/jboy」への3件のフィードバック

  1. 15歳と18歳のくだりは絶妙に必要じゃないのではないかと思ってしまった。じゃあ16歳はどうなんだという突っ込みをせざるを得ない。
    年齢とその人の中身はその人が育ってきた環境で変わるので、17歳を一般的に語る姿勢に違和感を感じた(自戒の念もこめて)。
    最後の「本当の殺人」から感じたのはナイフが出てきたり縄が出てきたり殺しなのか自殺なのかよくわからない感じになっていったという印象がある。

    17歳なんてだいぶ前の話だからいまいち心に響かなかった。まぁ僕の精神年齢は14歳くらいなんですけどね。

  2. 自分が17歳のときに、大人になるのを怖く感じて子どものままでいたいと思っていたことを思い出して懐かしさを感じました。ここまで17歳について深く考えたことがなかったのですごい発想だなぁと思いました。

  3. 17歳というと大体高校二年生。学生生活にもなれ、受験の悩みもまだない。1番高校生らしい生活をしていた印象が強く、呑気に学生していた当時こんな考えには至ってなかったなとふと思った。20歳になること(なったこと)を身近になった今、過去を振り返り特に感じることなのかもしれない。

    黄昏時を人生に例えると、何かと何かの間というより、死に近いということで老人をイメージしてしまうことが多い。独自の考えをいうのが主題だろうが、それがずれ過ぎていても読者を置いてけぼりを食らうのでそこの調節が難しいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。