午後4時の悪魔/夕方/印度

 

窓の外から4時の鐘が鳴る。
ぼくはそれを聞くと同時に家の明かりを点ける。またはそれを聞く前に。
いつの間にか習慣となって無意識のうちに行動してしまっていたため、
今のぼくはその行動をする理由を気にしなくなっていた。
学校を遅刻したり夜ふかししたりと時間にはルーズなぼくだが明かりを点けることだけには常に時間を守っている。
ぼくが小学校に上がる前のことだ。
お父さんは仕事から帰る時間ではなくお母さんは晩ごはんの用意やら、家事やら忙しい時間。
幼稚園でたくさん遊んだぼくはいつのまにかリビングでうたた寝していた。
4時の鐘が鳴っているので目がさめて、足もとを見てみるとたくさんの黒くていびつなものが近くにいる。
ぼくはびっくりして叫びそうになった。
だがそれは掃除機やマンガ、テーブルとその上にのってるお皿などの影であった。

ただの影にびっくりしただけだったが、じっと見ていると不気味な形でこわい。
見ていて気持ちわるいので掃除機とかテーブルをすこしずらして自分から遠ざけた。

気のせいだ、気のせい。ただの影じゃん。

しかしそれらの悪魔のような影はさらにいびつな形になり、だんだんとぼくに近づいてくる。
悪魔はゆっくりとぼくを食べようとしてるんじゃないだろうか、それともどこか遠いところに引きずりこもうとしてるんじゃないだろうか。
なみだがでてきて、こころがシクシクしてきたけれど、近づいてくる悪魔たちから逃げることができる気がしなくて部屋の隅でうずくまった。。。

「けんた、こんな暗いところで何してるの?おつかいにいくよ。」

お母さんの声だ、お母さんは悪魔が見えてないのかな、こっちにきたら危ないって教えてあげないと、、

顔を上げるとまぶしくて目をあけられなかったけれど、目がなれてくるとまわりには悪魔たちはいなくなっていた。

その日からぼくは4時の鐘が鳴ると明かりを点けるようになった。

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「午後4時の悪魔/夕方/印度」への5件のフィードバック

  1. これを読んでいたら『Among the Sleep』というゲームを思い出した。2歳児の主人公の視点で物語が進行するホラーゲームで、子供にしか感じ取れない不可解な現象を具現化してみましたみたいな。あと問題が解決していないまま怖い感じを残して終わる感じが結構好き。もう少し状況の描写をうまく書けたらもっといいと思う。

  2. こころがシクシクという表現がかわいいと思いました。一部分だけひらがなが多めになっていますが、回想部分は多めでそれ以外が成長した視点ということで漢字が多いのかと思いきやそうでもなかったです。読点のあとの改行に少し違和感がありました。

  3. ところどころの言葉選びや音の運びに独特なものがあって、その辺りはもっと意識をして自分らしい文章の追求をして欲しいと思った。
    全体的に垢抜けない印象があるのは、もしかしたら一人称の「ぼく」を多用しているからかもしれない。自分は自分が見たものを表現するときに、いったいどんな風に表現しているのか、物語を書きながら思い返してリズムを作ってみて欲しい。
    話の内容としては、語り手が語っている時間がその幼稚園の体験からどれくらい後なのかを明記して、その上で「なぜ今その物語を語る必要があったのか」という理由の部分をオチとしてつけると、より物語らしさが生まれて楽しいかもしれない。幼い頃の経験が、語りをしている語り手にとってどんなものなのかを意識してみるといいだろう。

  4. 小さい頃に感じる得体の知れないものの怖さを思い出して懐かしい気持ちになりました。だけど影の形が漠然としすぎて頭の中に思い浮かべるのが難しかったです。あと「理由を気にしなくなっていた」と言いつつ回想に入るのは少し違和感がありました。

  5. 影とか家が軋む音とか床の木目が人の顔に見えるとか、今では全く気にしない小さなことが小さい時はとても怖かったなあと思い出しました。子供の頃の回想が急にはじまった感じがしたので、文と文の間隔をあけて欲しかったなと思いました。

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