何を話そうか/夕方/あんぱん

夕方5時。「夕焼け小焼け」のチャイムが私の耳に鳴り響く。

「帰んなきゃ、お母さんに怒られちゃう!また明日ね!」
そう叫んで私の横を小学生がランドセルを揺らしながら走り抜ける。
横目でそれを見届けてから私はまた一歩帰路へと足を進ませる。

夕方という存在は、歳を重ねるごとに私の中で姿を変える。

小学生のとき。友達との別れで私をちょっぴり寂しい気持ちにさせた。
中高生のとき。息苦しい教室の空間から私を解き放してくれた。
今。・・・・・わからない。

なんとなく足を止めて空に目を向けると、茜色が夕方の存在を主張していた。
最後にこの茜色をまともに見たのは、いつだっただろう。
最後に家族とまともに話したのは、いつだっただろう。

いつもの真っ暗闇の道を歩くのと違って、ぼんやりと明るい道を歩くのは何だかそわそわする。
いつもは無心で歩くだけなのに、今日は色々考えてしまうのもきっと夕方のせいだ。

夕方5時。「夕焼け小焼け」のチャイムが私の耳に鳴り響く。
私はまた一歩帰路へと足を進ませる。

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「何を話そうか/夕方/あんぱん」への3件のフィードバック

  1. 「夕方という存在は、歳を重ねるごとに私の中で姿を変える。」
    良くも悪くも、この一文ありきかなという印象を受けました。
    この文を目立たせるために、前後の余白を多く取ったりするなど、相手にどう見えるかを考えると良いかもしれないです。

  2. 最初と最後に「夕方5時。「夕焼け小焼け」のチャイムが私の耳に鳴り響く。」が繰り返されていたが、この分量だと印象付けにしたとしてもあまり意味がない気がする。
    今の私がわからず物思いに更けるところは共感できるが、もっと自己分析のようなものを行うことができたら深みの出る文章になったのではないでしょうか。

  3. 情景や音、色などを使い、うまく表現されていて、短い文字数の中でうまくまとめられていると思います。一方で、どこかで見たことあるような在り来たりな文章にも感じました。もっと夕方を題材に家族との関係性とか、今の自分と小学生の自分との対比であるとかにサブテーマを絞ってもよかったのかもしれない。

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