unlock/夕方/ちきん

ときが過ぎるのが、はやくなってきたと思う。たとえば20歳なら、同じ長さの時間が1歳のときの1/20に感じられるというから、それはさすがにはや過ぎないかと、焦った。ここからさらに、大人数でケーキを分けるみたいに、時間の取り分が削られていって、何もしないうちに1日が終わって、一つひとつの季節が掛け替えのないものだったのに、ただぐるぐるぐるぐる何周目かもわからなくなっているうちに、あと80回、秋が来るかこないかくらいで死んでしまうのか。

 

もう3ねんせいだから、授業が始まってからお水を買いに行くし、昼休みは1人で気軽にレストランに入って、ヘッドフォンをして映画を観て、朝は3時に起きて課題を始め、おやすみがあるとわかればすぐに特急電車の切符を手に入れる、洋服はたくさん買うけど、もう、ハンガーの数が全然足りない、今日が何曜日かもわかんない、あっとうてき経済力と、精神的余裕を見せつけていかねばならない。

でも、いくつアンロックを重ねても、自覚がないから、何度もなんども同じ傷つき方をして、同じ言語で語って、分かり切ったことを教訓にして、ばかなんだねと、死にたくなってしまう。

 

日が暮れると、毎日、今日が今年の中でいちばんつらい日だ、と思う。でも、私がつらくて死にたいと思っても、死ねないのは、たぶん、人はちょっとした失敗とか時間差とか勢いで、ほんとうに簡単に死んでしまって、死んでから、あの1秒を巻き戻せたらとか、あのときの選択をひとつ変えられたらとか、どんなに考えても叶わない、何ができたって過去だけは取り戻せない、その無力感の方が、今死にたいと思っているつらさよりも、圧倒的につらいと思うから。

何を言っているのかわからない。死んだらなにも考えられないのに。でも、だからどうしても、生きることにしがみついてしまう。

 

常に、自分だけが大切なことに気付いている状況の歓びだけを、エネルギーにして生きてきた気がする。文章を書き始めるときの、不思議な高揚感は廃れない。だけど、あらゆることに関して、表現する力を持たないだけで、ほんとうはみんな知っているのだと悟ってしまったら、あとは、だいすきなひとの期待を、引かれるくらい上回れるように、闘っていくしかない。プレゼントは、絶対に私にしか選べないものがいい。

いつか死ぬまで、緩やかに駆け抜ける日々を、そうやって消費していくしかない。

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「unlock/夕方/ちきん」への4件のフィードバック

  1. やっぱり時がすぎるの早いですよね、2016年私の中ではまだ始まってない勢いで時だけが過ぎていっている感じがしてほんとに怖いです。
    節ごとのつながりが曖昧で、つながっているようでつながっていない、中途半端な感じがします。もうちょっと隙間を活用してもいいかな、と。紙媒体ではなく、ブログという形式ですからそれを利用するのも手だと思います。あと、個人的にタイトルのunlockと今回の文章の関係性も掴めませんでした。と思ってググったら(秘密を)漏らす、という意味があるようで、今回はそのニュアンスということなのでしょうか?

  2. 時間と死というものに対する考え方の中に、なんとなく自分のものと似た部分を見ながら読み進めました。
    文章内の表現は好きなのですが、アンロックを重ねることへの自覚?というのがいまいち掴めなかったのは、多分私がこういった文章を読み慣れていないからなのでしょうね…

  3. 年を重ねていくごとに時間の流れを早く感じてしまう、とても恐ろしいことです。
    アンロックが何を意図していたのかは知りたいです。

  4. 時間って不思議ですよね。一瞬で過ぎているときもあれば、全く進まないときもあるんですから。最後の諦めにもにた感じの文章、自分は好きですよ。
    所々(最初の方)あえてなのかミスなのか、漢字で書ける部分が平仮名なのは何ででしょうね。深読みしてみましたがわかりません。

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