120円のぬくもり/食べたい/ねおき

 

近頃は寒い、乾燥もしてるしなにより風が冷たい。

雪国出身だけど寒さなんて強くない、雪国アイデンティティみたいなものが邪魔をするだけで、人並みに寒がりだ。とにかく温かい家に引き籠ることを冬休みの目標にしていたくらいの人間だから、夜遅くに大学から帰るときは寒さに震えながら頑張って歩いている。

 

そんな寒さが続くある夜、私はいつものように帰路を歩いていた。しかし、その日は凍えるような寒さで、もう秋が終わってしまったのかと思うくらいだった。寒い寒い、と少しイライラしながら、私の足は自販機へと向かっていた。

 

「はあ、なにかあったかいものを…」

 

そのとき、私はようやく最近入ったあったか~いのラインナップの中に、おしるこを見つけた。

なんだなんだ嬉しすぎる、おしるこ様やあ、寒さ万歳ってかんじだ。私は迷わずボタンを押す。

 

ガコンッ

 

ああ温かい、幸せだ。そういや尾崎豊も、“闇の中ぽつんと光る 自動販売機 100円玉で買えるぬくもり 熱い缶コーヒー握りしめ“なんて歌ってたっけ。極限の状態で飲む温かいものは最高だ、さぞ染みわたったんだろうなあ。

 

そんな小さな幸せを感じながらおしるこを飲んでいた私だったが、ハッ、大事なことを忘れてた…小豆の粒めっちゃ残ってるやん…。缶を振ってみると、ごとごととたくさんの小豆が缶の底でぶつかる音がした。粒入り飲料缶ではあるあるのネタなのになんで振って飲まなかったんだよ…。数分前の自分をすこし恨む。でも私はあきらめない、全部食べつくしてやる!

 

そこからの行動はパワフルだった。

まずは飲むと同時に勢いをつけて頭を後ろに振る。ここできっと一度に4粒くらいは食べれる。でもほかの小豆たちは、飲み口と缶の間のところに詰まっていて、なかなか口に入らない。そこにいるのは分かっているんだ、早く出てこい。

もう一度頭を後ろに振る、ヘドバンの逆バージョンみたいなイメージで。少しずつ出てきた、あと少し!なんで私はこんなに必死なんだろう、特においしいわけでもない小豆の粒がそんなに食べたいのかと我に返るときもあったが、そこに小豆があるからだ!!とむりやり押し通した。なんというか、謎の義務感?

今度は缶を逆さにしたまま底をトントン叩くと、ドッと小豆が出てきた。これが効いたのか、缶を振っても、もう粒が缶に当たる音がしなかった。た、食べきった…!達・成・感!

 

ここから学べたことは、何事も努力あるのみ!ということ。途中であきらめて小豆がごろごろ残ったまま缶を捨てていたら、なんであそこで頑張れなかったんだと後悔していた、かもしれない。

 

 

でもまあここまで読んだ人が思うのは、「いや、缶を回しながら飲めよ」っていうことだろう。私もそれを心からおすすめしたい。そうでしょうよ、残った小豆と戦うのは相当疲れる。だから、これから粒入りの缶を買うあなたには、ちゃんと時計回りに回しながら飲んでほしい。

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「120円のぬくもり/食べたい/ねおき」への3件のフィードバック

  1. 回しながら飲むの知らなかった…ヘドバン系女子やってた…。なんかほっこりする文章でした。冬に向けてコンポタとかお汁粉を自販機で買うことがあったら実践したい。ところで自販機のおでんって美味しいんですかね。

  2. これすごいイライラしますよね〜。
    どうでもいいけど、もっとイライラするのは、溶け残ったプロテイン(笑)。
    文章については、このあるあるにもっとイライラして、そのイライラを文章にして欲しかったなぁと思います。

  3. おしるこの小豆をなんとか食べきった経験から、何事も努力あるのみ!ってまとめてるの突っ込まざるをえない。いやいや壮大か。すごいくだらないことなのに、本人が全力というスタイルは笑いをとりやすい。これをわざとやっているならまんまとひっかかった。たまたまなら今度からこの技使っていこう。

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