あの日見た儚げな彼女を僕はまだ知らない。/気になるあの子/オレオ

不思議だった。

最初に彼女を見た時は、凄く大人しそうで品があるようだった。
髪も服装もお嬢様みたいな雰囲気で上品。常に控えめで自己主張という言葉とは無縁。そんな感じ。といっても、お嬢様のなんたるかを心得てる訳でもなし、僕のぼんやりとしたイメージに過ぎなかったのだけど。

兎に角、それが僕の彼女のイメージだった。

―――だった。

同じ授業でも、スタジオでも、友人と楽しそうに、周りに会話が十二分聞こえる声でハキハキと話す様子は僕の想像とは違った。だからがっかりしたという訳でもまったくない。ただただ、驚いたのだ。ここまで僕の想像と異なることがあるものなのかと。周りの目など気にせず、ありのままの自分を全てさらけ出すようなオープンさ。沈黙の中で、堂々と発言をする揺るぎないメンタルの強さ。時折、キャラを作っているのではないかと疑うほどの不思議発言。日を重ねる毎に、彼女は僕のイメージとかけ離れていった。でも、そんな自由な彼女を羨ましく思った。

ある日、僕は偶然彼女を学外で見かけた。

俯いて誰かを待っている姿はどこか儚げで、そんないつもとは違う彼女の表情に僕は少しドキッとした。もしや、これが本当の彼女なのだろうか。学校での彼女はやはりキャラは作られたものなのだろうか。

お互いに目が合うと、「あっ!」と驚いて、二言ほど交わした。そんな、挨拶程度の会話だったけれど、やっぱり普段目にする彼女とはどこか違った感じがした。

後日、思い切って聞いてみた。彼女の振る舞いについて。彼女はサラッと「キャラは作っている」と言った。キャラを作った方が楽で、そのうち自然とそのキャラが本当の自分になってくるのだと。こういうことをサラッと正直に言えてしまう彼女もなぜかかっこよく思えた。

けれど、それと同時に僕は、素の彼女が少し気になった。

普段友達といない時間、自分だけの時間。

きっと素の彼女は、あの日見せた様な儚げな表情を浮かべるのだろう。

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「あの日見た儚げな彼女を僕はまだ知らない。/気になるあの子/オレオ」への2件のフィードバック

  1. あの子かな?違うかな?あの子にラブレターを書きたかったからこのテーマにしたのかな?と、勝手にどきどきしながら読んだ。やっぱり、ギャップがあって、掴めそうで掴めない人は魅力的なのだと思う。こういうときは、気になる人なんていないとかみんな気になるとか、下手に逃げるより思い切って書いた方がおもしろいので、絶妙なポエム感とガチっぽさがいいと思った。

  2. この文章を読んで思い浮かんだ人が1人。もし本当に自分の思ってる人なのだとしたら、その人のそんな表情を自分も見てみたいと思いました。やっぱりギャップっていうのは異性を惹きつける重要な要素なんですかね。自分自身そんな経験がないんであまりわかりませんが。ただ小学生のときとかに普段女の子っぽい子があぐらかいてたのにはドキッとした覚えがあります。

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