第1印象/気になるあの子/Gioru

第1印象が特に大事であると、よく聞く。

 

初めて出会う人に対して、顔を見て服を見て、体系や佇まい、上方から雰囲気までをざっと眺める。その後に大体こんな人なのだろうな、と察しを付けて相手と自分の立場を比較し、それらを元に今後の関係を構築していく。

 

彼女に対しての第1印象としては、みんなから好かれそうだな、というもの。笑っている時の顔も可愛かったし、ほんの少し会話をするくらいなら悪い印象を持つこともない。

いい感じの子だなぁ、と素直に感じた。

 

彼女の第1印象が崩壊していくのは彼女の書く文章を読み始めてからである。

一言でいえば『理想の崩壊』とでも言おうか。まぁ、ありがちな話ではあるのだけれども。

主に自分のことについて書く(少なくともそう見える)彼女だが、自分がどのように見られているのか何となく予想はついていること。それを利用していること。何故そんなことをするのか考えだすこと。

大体こんなような内容をつらつらと書いていく。

更に、これは彼女自身が私たちに直接話したことだが、相手(異性)が自分に興味を持った(または堕ちた)という瞬間がわかるらしい。

 

もう、なんというか、あぁそんなもんなのね、と感じた瞬間である。

理想を押し付けていたのはこちらであるし、頭の中で想像した人物像は言わば虚像でありアイドルである。たとえ手玉に取られても、利用されて踊らされていたとしても(同じか)、全てこちらの自業自得である。

 

自分自身が惨めになるような衝撃を受けたのもそうだが、ここでもう一人の自分がいて、何か呟いていることに気づくのである。

 

曰く、そこに書かれている彼女の言葉は本当に彼女自身の言葉なのか、と。

 

何処かの本で読んだことがある。人というものは、向き合う対象によっていくつもの仮面を使い分けていくのだと。私も目上の人に対しては敬語を使ったり、そこまでではなくても丁寧な言葉遣いになったりする。変な気遣いをするようなこともあれば、率先して気に入られようとあれこれ行動したりする。逆に後輩とかだと少しでも良い先輩になろうと「私頼れます!」みたいな気持ちをもって全然根拠もないのに自信満々にあれこれやったりもした。男友達と女友達でも使い分けているような気がするし、一体私は何人いるんだか。

 

とにかく、そこに書かれている彼女は作られた彼女で、本心は違うのでは? なんて馬鹿みたいに考えたのだ。面と向き合っても話しているときに文章を書いたような彼女であっても、そう書いたのは彼女なのだからそのように振る舞うのは当然。なら、それも作られたもので、実は。なんて。

 

少し考えればわかる話である。誰だって、自分のことを気に入ってほしい人の前では、気に入られるように自分を振る舞う。どんなに気を許していてもそういう面もあるということにしか過ぎない。

本当はどうだ、とか考えていてもそんな本物があるのか疑わしい。全部の面が私である、そういう面もあるよね、って考えれば楽ではある。確かにそうだね、と実感しやすい。

 

今でもたまに彼女が笑っているのを見ることがある。

それが本心からなのか、こらえきれずになのか、周りに合わせてなんとなくなのか、苦笑いなのか、苦い笑いなのか。

私には区別することができないが、それでもやはり可愛い笑顔であるとは思うのである。バカだなぁ、ほんと。

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