お片付けスイッチ/片付け/rascal

人間は何事もスイッチで動いていると思う。やる気スイッチという言葉が一時期流行ったが、やる気スイッチというのはいろんなスイッチの総称で、実際は料理スイッチとかレポートスイッチとかがいろんなところに無数にあるのだろう。

そして私は今23時15分、お片付けスイッチを押した。というか押された。服を脱いでは捨てを繰り返した部屋は足の踏み場もなくなっていた。もう見慣れてしまった光景だが、なんとなく散らかる部屋に嫌気がさしたのだ。お片付けスイッチがどこにあるかなんて知らないが、あのスイッチは押そうと思って押すものではないのだなとふと感じた。

まずは洗濯機にぶち込むものと箪笥に戻すものとを分別する。下着類はさすがに毎日洗濯機に入れていると思っていたが、意外と服に埋もれて発掘されたりする。自分でもドン引きだ。人間としてどうなってるのだろうか。

洗濯物を洗濯機にぶち込み、さあ次は箪笥に戻すぞと意気込むが服を箪笥に入り切らないことに気づく。そういえば大学生になったしオシャレしなきゃって服いっぱい買ったなぁ。そうだ私は箪笥に戻さないのではない、戻せなかったのだ!と言い訳をして、今度は箪笥の中のいる服といらない服との分別にかかる。そうなると中学生くらいの頃に買った服なんかが出てきて懐かしーでもいらねーなんて言いながら袋に突っ込んでいく。

箪笥に今でも着る服が全部入るくらいまで整理すると、箪笥にいかに綺麗に服を入れるかに全力を注ぐようになる。こうなると意地になってきている。伊東家の食卓かなんかで見た綺麗に服を入れる裏技を検索してみたりして隙間なく箪笥に戻していく。

よし、綺麗になった。こんなに綺麗になったの久しぶりだし、箪笥の中も綺麗だから写真でも撮ろうと思って携帯に手を伸ばすとグループLINEに一件何かが来ていることに気づく。

「榑沼さんのレポートって授業支援システムのどこに出すの?」

携帯の画面の上あたりを見ると1:36と表示されている。そうだ、そんな課題あったな明日(というか今日)締切のやつ。というかやろうとしてたけど面倒くさくなって、ふと片付けしたくなったんだった。今日は徹夜だな。

 

普段片付けしない人のお片付けスイッチ

それは現実逃避したい時に押される

 

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「お片付けスイッチ/片付け/rascal」への3件のフィードバック

  1. あるあるですね。このあるあるを最後にもってくるのがいいと思います。最後に持ってくることでありふれた話なんだけど、それがオチとして機能するからなんだか新鮮なものとして読むことができました。

  2. オチが秀逸ですね。きっと無意識的に、レポートを書くくらいなら片付けでもやってた方がマシだって脳が判断したんでしょうね。
    片付けしているうちに思い出に浸ってしまう話はよく聞きますが、そこに関しては割とあっさり捨てられているのがすごいですね。

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