だいさくせん/大作戦/縦槍ごめんね


アパートに男二人。
企画書らしきものを持っている。
表紙には「だいさくせん」と書いてある。

強盗1 「だいさくせん!? なんだよだいさくせんって!」
強盗2 「そのままの意味だよ。じゃあ今度の銀行を襲う作戦はこれでいきます。お疲れー。」
強盗1 「ちょいちょい! 待って待って!」
強盗2 「なんだよ。」
強盗1 「いやね、作戦の内容はさ、まぁとりあえずいいの。」
強盗2 「ならいいじゃん。」
強盗1 「その前に、ね!・・・作戦名がだいさくせんってどうなの?」
強盗1 「何? 不満なの?」
強盗2 「いや、これさ俺達の初めての銀行強盗な訳じゃん!だからさ何か・・・もっと特別感だそうよ!」
強盗1 「特別感ってなんだよ?」
強盗2 「何かさ、こう、第一回記念の思い出の作戦にしたいの、俺は。」
強盗1 「もっとはっきり言ってくれない?」
強盗2 「作戦名が気に入らないの!」
強盗1 「・・・そんなこと?」
強盗2 「いやいやいや、そんなことじゃないよ!大事なことじゃん!大体さ、だいさくせんてさ緊張感なくない!?そんな適当に決めないでよ! 俺達初めてなんだよ!初めての銀行強盗なんだよ!もっと大切にしてよ・・・。」
強盗1 「面倒くさい女か!」
強盗2 「はぁ?なんで俺が責められてんの?大体さ、だいさくせんてのは単体では成立しないんですぅ!何かしらの目的を頭に持ってこないと、え、何が?って見た人がなるからね。山Pもびっくりだぞ。」
強盗1 「強盗の計画書なんて誰に見せるんだよ!」
強盗2 「それは・・・、捕まったときに警察に笑われるだろ!」
強盗1 「やる前から捕まることなんて考えんなよ・・・。」

強盗3入ってくる。

強盗3「お前らさ、声のボリューム考えろよ。外まで聞こえてたぞ。」
強盗1 「まじか、お前のせいだからな。」
強盗2 「いやいや、聞いてくれよ、こいつがさ、」
強盗3 「あー、作戦のことだろ。それなんだけどさ、今回俺作戦から抜けさせてくれないかな・・・。」
強盗2 「はぁ!?なんでだよ!」
強盗1 「あー、その話ね。いいよ。」
強盗3 「え・・・。なんで?」
強盗1 「ゆめちゃんのことだろ。もう、5年も付き合って明日プロポーズするんだろ。」
強盗3 「・・・うん。」
強盗1 「こっちよりも先に決まってたんだから仕方ないよ。」
強盗3 「・・・ほんとにすまん。」
強盗1 「大丈夫だって。プロポーズするのに銀行強盗は出来ないべ。」
強盗3 「ありがとう。中々言い出せなくてごめんな・・・。ちょっとゆめに電話してくるわ。」

強盗3出ていく。
強盗2 「え、え今の何? な、なんでお前だけ今の知ってるの?俺だけ知らなかった系話?」
強盗1 「違うよ。」
強盗2 「違くないじゃん!俺だけそうやって除け者にする!作戦のときだってさ!俺だけ話し合いに参加できなかったもん!もうやだ、あんた達とはやっていけない。」
強盗1 「だから面倒くさい女か! あのな、俺も知らなかったの今の話!」
強盗2 「え、じゃあなんで?」
強盗1 「勘!」
強盗2 「嘘だー!」
強盗1 「ほんとだよ。最近のあいつの様子とか見て、カマかけてみたの!」
強盗2 「すげぇなお前!」
強盗1 「だから作戦も変更したの。そのためだいさくせんだろうが。」
強盗2 「ん?」
強盗1 「この前の作戦の代わり、つまり代用の作戦で、代作戦!」
強盗2 「あー!上手い!そして粋!」
強盗1 「ちゃんとこの前の作戦会議聞いとかないからこんなことになるんだよ。」
強盗2 「じゃあ、なんでわざわざひらがな表記にしたんだよ。」
強盗1 「それは、お前のその驚く顔が見たかったからだよ。」
強盗2 「・・・あなた。」
強盗1 「・・・おまえ。」

強盗3再び来店。

強盗3 「うわ!びっくりした!気持ち悪いなお前ら。」
強盗2 「気持ち悪いって何よ!」
強盗3 「お前なんなんだよ。」
強盗1 「で、どうなんったんだよ、話は?」
強盗3 「・・・いや、その事なんだけどさ。」
強盗2 「なんだ、どうした?」
強盗3 「いや、うーん。」
強盗1 「はっきり言えよ。」
強盗3 「あー、なんかね、付き合ってなかったみたい俺達。」
強盗1,2 「・・・えー!」
強盗2 「それは、え、どういう?」
強盗3 「いや、電話でさ付き合って5年だね、みたいな話をしてたらさ、なにそれみたいな反応された。なんか俺が勝手に付き合ってたと思い込んでいたらしい。」
強盗1 「・・・なにそれ?」
強盗3 「俺もわからん。問いただしたら、急に泣き出した。」
強盗1,2 「めんどくせぇ女!」
強盗3 「なんか、俺も急にめんどくさくなっちゃったよ。」
強盗1 「・・・それもそうなんだけど、俺の粋な計らいは?」
強盗2 「残念だけどおじゃんじゃない?」
強盗1 「はぁ!?やだよー。カッコつけさせてよー!」
強盗3 「なにそれ?」
強盗1 「お前のせいだからな!返せよ・・・、俺の粋返せよ!」
強盗3 「なんだよそれ。粋を返せってなんだ。」
強盗2 「まぁまぁまぁ、とりあえず、これでまた3人で作戦練れるな。とりあえず、作戦名決めようぜ。作戦名はえーっと、色々めんどくさいし『作戦』でいこう!」
強盗1 「なんだよそれ、ちょっと前までなんかこだわってたじゃねぇかよ!」
強盗2 「いつまで、過去のこと引きずってんだよ。早く前に進め。」
強盗1,3 「じゃあ、もうそれで!」

0 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 5 (0 投票, 平均点: 0.00,  総合点:0  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「だいさくせん/大作戦/縦槍ごめんね」への1件のフィードバック

  1. 面白かった、キャラがはっきりしてるから安心して読めた。代作戦にそこまで感動する理由はよくわかんないけど、それ以外は面白かった。5年間男が勘違いもなかなかレアケースだと思うけど、面白かった。銀行強盗をポップに描けててよかった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。