そうでもないか/夢の対決/いせ

皆さん、少女漫画読んでますか?

可愛らしくも平面的な絵柄、少年漫画と比べると異常に多いモノローグとほぼトーンだけで構成されたコマ、そして極めつけは虹彩がこれでもかというくらい強調されたキラキラとまぶしいおめめ。そのどれもが少女漫画と言うジャンルを特徴付け確固たるものにしています。

“少女”というだけあってそのターゲットは主に若い女性であるので、男性で日常的に読まれる方は少ないかもしれません。ですが現在連載中のものだけでなく、過去の名作と呼ばれるマンガや単行本にすらなってないようなマンガなど時代的にもたくさんある中で、あまり少女漫画を読まない方でも目に触れたことはあると思います。

 今回はその少女漫画のなかで、特に「ラブコメディ」と呼ばれるジャンルについて取り上げていきたいと思います。

主人公の女の子とかっこいいヒーローとの胸きゅんな青春が描かれる少女漫画。彼らは、時につかず離れずのもどかしさで、また時には女の子がちょっと憧れてしまうようなベタ甘の恋模様を繰り広げていくことで私たちをその世界にぐいぐい引き込んでいきます。

ところで、そのストーリーで読者を魅了する課程において必要不可欠と言ってもいいほど活躍する存在がいるのです。

そう、皆さんご存じの通り、ヒーローのライバルにあたる男子-通称「当て馬」-ですね。

彼らはラブコメの主人公争奪戦において報われる確率はきわめて低いのが現状です。まあ、それ故に「当て馬」と呼ばれるのですが。にもかかわらず、彼らは話の盛り上げ役として涙ぐましいほど献身的な働きかけを見せます。彼らはラブコメのストーリー展開において緊迫感と新鮮なドキドキを与え、主人公カップルと読者を大いに惑わせますが結果的にヒロインと自分のライバルの絆をより深めてしまうことになります。そして最後にはヒロインの幸せを願って自らの身を引いていくのです…。

ま、これが典型的な「当て馬」的人物と言えるでしょう。

 

最近は、自分がヒーローなんかよりも魅力的に感じる当て馬が全然報われないことを嘆く人が多いと聞きますね。そこで、多くのラブコメ作品に登場する彼らに、よく見受けられる特徴を正規ヒーローと比較しつつ紹介し、なぜ彼らは「当て馬」なのか考えてみましょう。

皆さんもぜひご一緒にお考えください。一応以下に挙げるものは、あくまで私の経験から「何となく」感じる特徴であることをどうか気にとめておいてくださいね。

 

〈よく見る当て馬の外的・内的特徴〉

①黒髪ヒーローに対して白髪                ②超絶イケメン設定ヒーローに対して“そこそこ“イケメン設定 ③ツンデレ又は俺様ヒーローに対してヒロインに優しい    ④逆にヒロイン第一で自分自身はないがしろにしがちな面がある⑤ヒロインの恋のお悩み相談相手であり常に良い聞き役

 

とりあえず、思いつくものをいくつか挙げてみました。

まずは、①黒髪ヒーローに対して白髪、については作者側のベタの手間に対する考慮とか考えてしまいますね。また、黒髪の正規ヒーローに合わせてヒロインも白髪である場合が多いです。ヒロインと同じ白髪である当て馬はマンガ画面の白黒のバランスが取れないとこからも、なおさら当て馬感を醸しています。この特徴は例外も多いことと思いますが、ただやはり「黒×白」、「白×黒」、「黒×黒」に比べて「白×白」の組み合わせカップルはかなり少ない気もします。

次に②超絶イケメン設定ヒーローに対してまあ“そこそこ“イケメン設定、についてですがその場合多くの当て馬が外見ではヒーローに劣ると言う自己認識を持っているようです。それ故に彼らは内的魅力ではヒーローに勝ろう、もしくはそこだけは自分がヒーローに勝る、唯一のアピールポイントと自覚しているように見えます。

その点が次の③ツンデレ又は俺様ヒーローに対してヒロインに優しい、④逆にヒロイン第一で自分自身はないがしろにしがちな面がある、⑤ヒロインの恋のお悩み相談相手であり常に良い聞き役、ら特徴に大いに関連してきます。

彼らのなかにおいて、ヒロインとヒーローの恋のアドバイザー、相談相手として登場する者は少なくありません。そして、その役回りにおいてこそ当て馬の本領がここぞとばかりに発揮されるのです。まず、③→ヒロインからの相談に親身になって耳を傾け、優しく接します。彼女に共感を示しつつ、その人間性と魅力に触れヒロインを好きになります。そうして三角関係に発展、紆余曲折ありましたが、④→ライバルのことを想うヒロインの背中を押し、彼女が幸せであるならよしとして身を引きます。

さらに補足として⑤についてですが、逆に正規ヒーローのほうは何かしらの問題、心にトラウマを抱える者が多い気がします。例えば、母親父親との家庭内不和や恋愛に対する偏見・トラウマなどが挙げられます。ヒロインは、ヒーローのそのある種弱点である部分に触れて、それが母性本能を刺激し、何とかしようと行動します。つまり、人間の弱みや抱える悩みを魅力としてとらえていることになるます。⑤のように常時聞き役の当て馬の悩みは表面化されにくいので、やはり彼らはヒロインにとっては魅力の薄い存在となり得るのかもしれませんね。「守られるだけの存在じゃヤダ!!」みたいなことをヒロインはよく口にする(?)ことからも、女声が持つ庇護欲のようなものが感じられます。

以上、当て馬の特徴を適当にピックアップして並べてみました。納得いく項目、いかない項目それぞれあったことと思いますが、どうぞ温かい目で見てやってください。

さて、上記のことからうかがえることはとにかく「優しい」当て馬像ですね。彼らがヒロインを正規ヒーローから奪取するには、もう少し「身勝手」に振る舞うことが必要なのではないでしょうか。

今回はラブコメで全面的にはフィーチャーされる機会がない当て馬に焦点を当ててみましたが、どうでしょうか。ちなみに私はそれでもヒーローの方が好きです。あなたはどっちが好きですか?

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「そうでもないか/夢の対決/いせ」への5件のフィードバック

  1. 「当て馬」を分析していて、それでもいせさんの中ではヒーロー勝利なのが、そうなんだーと思いました。外見では劣る常時聞き役の当て馬は魅力薄…って、現実でも聞いたことある話です…。

    あとPCで読んだとき、すごく読みやすかったです。字体と段落の分け方が良いんだと思います。

  2. 導入が丁寧だったため、唐突にヒーロー・当て馬の関係性について語られるのよりはすんなり展開に乗っていけました。読者がわかっていることでも、お互いの歩調を合わせて確認するのは重要なのかもしれません。
    メディア形式はエッセイというよりブログ調、ここのスタイルにもばっちりですね。どう読めばいいのか、という読者の立ち位置がはっきりしているので読みやすかったです。

  3. スマホで読むと特徴の箇条書きが見づらくなっているので、どの媒体でも見やすく編集できてるといいのかなと思いました。

    マンガのキャラクター投票で、必ずしもヒロインやヒーローが一位に来るわけではなく、ここでいう当て馬が一位をとったり、上位に来たりすることをよく見る。脇役が魅力的なほどそのストーリーは面白いと誰かが言っていた気がするが、まあそれでもやっぱり私はもヒーロー派なんだろうなと思う。

  4. 明瞭かつ適切な解説です。 なんなら少し話盛ってもいいくらいに分かりやすいです。
    当て馬といえば、“月刊少女野崎くん”なる漫画にまさに当て馬がフィーチャーされる回がありました。当て馬はなんか、ほんとに幸せになってほしいですよね……。ヒーロー、主人公もたしかにカッコいいのですが、個人的には当て馬派です。是非とも幸せな未来を築いてもらいたい。

  5. 少女漫画は読んだことないけど、そういう立ち位置が常にいることは知ってた。でも、聞く限りでは大体ヒロインの方をより想っているのは当て馬なんじゃないかと。それなのに結局選ばれるのはカリスマ性があったり顔がよかったりするヒーローだというストーリーがウケるのかと思うと男からすれば哀しく思えてしまう。もっとこう…ねぇ…

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