ブスvs少女/夢の対決/温帯魚

今回も例によって書くことがない。もはや書き始めを「書くことがない」にするのが鉄板となってきている気もする。こうなってくると逆に書くことがないテーマで1200字書いている自分を褒め讃えたくなって来るものだ。俺すげえ。
いつもならそうはいってもとテーマからの連想で書くことを決めるのだが、今回のテーマからはシンゴジラの「現実対虚構」とポケモンの「ディアルガvsパルキアvsダークライ」しか思いつかなかった。僕ごときがシンゴジラを語ると過激派によって在来線に突き落とされかねないし、後ろに至ってはタイトルコールのダークライの部分が渋くてかっこよかったね以外覚えていない。
手詰まりだ。ああ手詰まりだ。
こうなっては趣味のことを話すしかない。ということで今回は布教回です。悪しからず。

今回紹介するのは最果タヒの「君の言い訳は最高の芸術」とカレー沢薫の「ブスの本懐」である。もしあくまで対決という形をとるのであれば、それは「ブスvs少女」である。

「ブスvs少女」。ああなんていう「現実対虚構」

もちろん、ブスな少女はこの場合ブスに属する。いやそんなことを話したいんじゃない。

 

「さみしい」という感情に、だれかがそばにいるかいないか、なんていうのはたぶん、まったく関係がない。自分が楽なリズムで、孤独になったり、孤独をやめたりできるのかっていうことのほうがずっとずっと重大だと思う。自分の都合の良さみたいなものを、どれぐらい保てているかっていうこと。

まずは「君の言い訳は最高の芸術」から。一言で言うと、エモい。いや詩人の文章を読んでその語彙力の放棄はどうなんだ。
最果タヒさんについてはスタジオで前も書いたことがあるが、今を時めく詩人である。詩人だけあって言葉のセンスが尋常じゃないうえ、一方で題材が読者にとって身近、あるいは共感するしかないものだから読んでいて感情の振れ幅がすごい。透明だという陳腐な言葉が、最果タヒの前では当たり前に理解できる。少女のように濁りがない。
この「君の言い訳は最高の芸術」は、もともとタヒさんが書いていたブログを本にしたものである。しかし個人的には長い詩、という感じもする。そもそもタヒさんの詩が読みやす過ぎるのがいけない。
この人がなぜスタジオでおすすめできるかというと、ものすごく頭がいいからだ。京大出身。学歴からして完全に私たちの上位互換なのである(まずその考え方が頭悪いということは否定しない)。しかし文章もそんな感じなのだ。思いもしなかった言葉をスッと共感させられる感覚は、人文の片隅にいるものとしてみると敗北感がすごい。片隅過ぎてあんまりみないが。

 

当コラムのテーマは「ブス」である。

非常に毒性の強い言葉であり、「いい意味でブス」「ブス(褒め言葉)」等、ありとあらゆるオブラートで包んでも、その殺傷能力は消せるものではない。
むしろ、「白雪のように白い肌と金糸のような艶やかな髪、福音のような美声を持つブス」というように、すべてのポジティブ要素を木っ端みじんにする上に、さらに破壊力を増大させるという、まさに滅びの呪文なのである。

続いて「ブスの本懐」。ゲスではない。
カレー沢薫先生はマンガ家である。猫とTwitterのエゴサーチを何より愛する。あとペペロンチーノ。
「ブスの本懐」について。簡単に言うとブスについてオモシロオカシク語った本だ。もともと電子コラムだったものが書籍化したもので、読んでいて人生に得ることはないが、ただ面白い、みたいな。しかし男でもたまに流れ弾が来るため、読んでいて非常にへこむ時もある。でも面白い。
たぶんエッセイのタイプとしては酒井順子さんが一番近い。私もブスであるが、世の中にはもっとブスがいて、見ようによっては大変面白い、みたいな。あるいはもっと単純にてめえもブスだ笑おうぜ、って感じだ。ただカレー沢先生自身がネット文化直撃なので、同じ文化で読んでいて直接的に笑える。気がする。

さて、「ブスvs少女」。字面だけ見ると少女の圧勝で間違いないが、しかし僕としてはブスの方を皆さんに読んでほしいと感じる。これはどちらが面白いかではなく、どちらが参考になるかでだ。完全なるおせっかいである。
理由としては、元がブログとコラムで目的が違うこと。単純に才能のあるなしなどあるが、単純に最近のみんなの自虐がそんなに面白くないということがあげられる。もっとこう、俺はダメ人間だがでもお前らよりましというものか、あるいは病院に行ってこんなこと言われたとかそういうものを書いてほしい。カレー沢先生からブスの生き方というものをぜひ学んでほしい。
気が付いたら喧嘩を売っていた。なぜだ。在来線は勘弁してほしい。最後に二つのURLを張って今回は締めたいと思う。

最果タヒ.blog http://tahi.hatenablog.com/
ブス図鑑 セックスに全く縁のないブスが一気にヤリブスになることも珍しくない https://cakes.mu/posts/14669

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「ブスvs少女/夢の対決/温帯魚」への2件のフィードバック

  1. 言葉のチョイスが光っていますね。羨ましいです。みんなの自虐がそんなに面白くないというのはわかるなあと思いました。ブスの本懐、読んでみたいです

    私に忍耐力がないからかスマホで読んでいるからか、一段落が長くて頭がぐるぐるしてしまったので一段落をこの半分くらいにして書いてみてほしいと思いました。

  2. ブスと少女、引用されている部分だけで判断するなら確かにブスに軍配が上がるなと思いました。求心力がすごい。

    ブス図鑑、冒頭だけ読んでみたんですけど今回の温帯魚さんの文体に似ているなと思いました。何がと言われると難しいですが…

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