449円に見合う男/食レポ/温帯魚

自分へのご褒美という言葉を使えるほど頑張ったかどうかは別にして、人間なのだから散財をしたいときもある。特に大学生となり使えるお金も大幅に増えたため、一念発起してパッと高価なものを買った経験も皆さんあるだろう。最近だと私はゲーム機を買ったが、そこそこ充実している。日常に支障をきたす程度には。

それに満足したかがっかりしたかどうかは別として。では贅沢の基準はどこにあるかと考えたとき、それは各々の日常に依存すると私は考える。収入。家賃。交通費。維持費用。そしてもちろん食費。分かりやすく言えば昼食にいくら出せるかが大学生としての金銭感覚のアイコンであろう。

さて、私はこう見えて結構使えるお金が多い。実家住みの上に交遊費がほぼ掛からないからだ。とは言うものの貧乏時代の名残もあり昼飯に700円以上はあまり使いたくない。

では共通する贅沢品というものは無いのか?へとへとになり帰る自分を慰め、落ち込んでいる恋人を励まし、ともに頑張った仲間をねぎらうもの。幸福と繁栄の象徴であり、ちょっと足を運ぶだけで手に入れることができて、でも買う時に少し勇気が必要となるもの。

最近さらに高級感があるものを出してきた、となるとこれはもう散財するしかないだろう。

そう、ハーゲンダッツ・アイスクリームがピスタチオベリー味を発売した。お値段なんと449円。私の安い時の昼飯代より高い。

 

さっそく食べてみた。まず普段よりシックな色合いの蓋をあけ中のカバーを外すと、パステルグリーンの表面が見える。カップにも表示してある通り中は四層になっており、ピスタチオ味の層、ベリーソース、ブロンドチョコレート、クッキーが重なりあっている。

食べてみて思う。バランスがいい。

まず濃厚な豆のうまみがある。ともすればくどくなりそうな味を下層のブロンドチョコレートがしっかりとマイルドにしている。深みとコクが口の中に広がるが、一方で爽やかなベリーがアクセントとして重くなり過ぎないようにしているのだ。クッキーも触感の変化として飽きさせない。

しかし植物性の脂だけあってバニラなどよりも案外軽いような感じである。味の濃いお酒とも合いそうだった。

総合して、甘さを楽しむものというよりは風味を楽しむもののような気がする。熱いお風呂上りに冷たさと甘みを楽しむようなものではなく、お酒やコーヒーなどと一緒に食べるのがいいのだろう。正直大学生としてはおいしいが期待したほどの幸福感はなかった。しかしまた20年後は違うかもしれない。通常のハーゲンダッツのような1カップで有り余る満足感はなかった気がするが、そもそもピスタチオがつまみとして使われることを考えていなかった私の手落ちだろう。お酒を買えなかったことが悔やまれる。

 

味の作りこみなどを鑑みるに、449円の価値はあるのだろう。しかし上級者向け。まだ私の食に対するこだわりが足りていなかった。お金のかかった散財を楽しめるようになるにも、修練が必要だ。日ごろからいいものを食べるようになって、贅沢というものは満足感が増していくのだろう。そんなことを思い知らされる大人の味だった。

 

0 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 5 (0 投票, 平均点: 0.00,  総合点:0  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「449円に見合う男/食レポ/温帯魚」への1件のフィードバック

  1. アイスの構造の分析はむちゃくちゃしっかりしてるのに、気持ちがこもっていないのが印象的。でもそれはそれで「楽しみきれなかった」感が出てていいんじゃないかと思います。無理しても書けないものは書けないし。
    「高級食材って本当においしいのか」とか「見え張って食ってるだけなんじゃねえのか」みたいなことはよく考えます。どうなんでしょうね。早くわかるようになりたい…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。