ある冬の話。/あったかい/あおいろ

ある冬。

私は友達から、マフラーをもらった。
それはとってもあたたかくて、私の熱を逃がさないというよりマフラーそのものが熱を持っているような、そんな風に感じるものだった。
そのあたたかさが嬉しくて、私は毎日そのマフラーをしていた。

ある日、その友達とたまたま出会ったことがあった。
その日も私はそのマフラーをしていた。
私は友達に、
このマフラーありがとう とってもあったかいよ
と伝えた。
そしたら友達は、
当たり前よ だって それはオコジョなんだから
とさらりと言った。
へえ そうなんだ
と私は返事をした。
オコジョでできているマフラーなんてめずらしいな、と思いながら。

 

ある冬。

私は友達から、耳あてをもらった。
それはマフラーと同じようにあったかかった。そのうえ、私がどんなに走っても落ちないくらい耳にぴたりとくっついて、とてもつけ心地がよかった。
そのあたたかさとつけ心地が嬉しくて、私は毎日その耳あてをしていた。

ある日、その友達と一緒に遊ぶことがあった。
私は友達に、
この耳あてありがとう あったかい上につけ心地が抜群だよ
と伝えた。
そしたら友達は、
当たり前よ だって それはリスなんだから
とさらりと言った。
へえ そうなんだ
と私は返事をした。
こんな会話、前もしたことがあるなと思いながら。

 

ある冬。

私は友達から、ニット帽をもらった。
それはマフラーや耳あてと同じようにあたたかかった。そのうえ、羽でも生えているかのように軽くて、嬉しくてスキップしてしまうくらいだった。
そのあたたかさと軽さが嬉しくて、私は毎日その帽子をかぶっていた。

ある日、その友達と一緒に帰ることがあった。
その日も、私はその帽子をかぶっていた。
私はその友達に、
この帽子ありがとう あったかくて 軽くてとってもいいね
と伝えた。
そしたら友達は、
当たり前よ だって それはウサギなんだから
とさらりと返した。

ねえ
私は足を止めた。
友達も足を止めた。
いつもそうやって返すけれど それってどういう意味なの?
別に 本当にオコジョやリスやウサギでできている訳じゃないじゃない
友達は、私のことを見た。

そうだね そろそろもういいかね

友達がそう言った瞬間、ずしり、と頭に重みを感じた。
えっ?
何が起こったか分かっていないうちに、今度はぐいんと頭を押された。
わっ
少しよろめいて顔を上げると、そこには白く光る一匹のウサギがいた。
ぽかんとしていると、次に耳と肩も重くなって、それらは今度はたったかと私の体を伝って降りていった。
それは、同じく白く光る二匹のリスと一匹のオコジョだった。

そして、その四匹は私ことをちらりと見ると、ぱたぱたとどこかへ走っていってしまった。

 

もう春だね

友達は、そう言った。

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「ある冬の話。/あったかい/あおいろ」への1件のフィードバック

  1. このままぜひ童話路線を極めていって欲しい!ぜひ!言葉選びとか描写とかひらがな使うポイントとか、もっと慎重にしていってください。

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