つめたい/あったかい/ちきん

あったかいひとになりたかった。

誰も知らない土地に行けば、人見知りじゃないフリができるとおもう。都会に出てきて感じたのは、当たり前にあったぬるい人間関係が当たり前ではなくて、何か欲しいものひとつを手に入れるにも、約束をするにも、すごく体力を使わなければならないのだな、ということだった。それまでひとりで生きた経験がなかったから、それは都会云々ということよりも、大人としてある程度の責任を負って生きていかなければならないというだけのことかも知れない。だけど、その疲労感も嫌いではないから、飄々とやっていられる。

いつも何もかも平気そうにこなしているせいか、感情のないつめたい人だと思われやすい。自分としては、すごくいい感じに振舞っていると思い込んでいたバイト先でも、半年もしないうちに「塩対応の神ですね!!」とか言われ始めた。どうして隠し切れないんだ。確かに、人への関心が薄かったり、言葉遣いが乱暴だったりすることはあるけど、私、ほんとうは意外とけっこう熱いし優しいのに。

私がこうなってしまったのは、特に女性が気持ち以上に誇大な表現をすることを嫌う、母のせいだとおもう。自分が表現できないとしても、せめて人のことを受け止めるくらいはできたらいいのに、無関心のような引いているような、つめたいリアクションになる。心は寛容な気がするんだけどな。ほんとうはあなたのことを知れてうれしいのに、言葉を尽くすほど墓穴を掘りそうな、好いたら嫌われそうな気がして、恐ろしくなってしまう。

いまは、まわりと適度に快適な距離感を保ちながら、1人ですきなように生きればいいけれど、これからこの冷たさをどうやったら都合よく隠せるものかと、困っている。だって、つめたい人間は、ひとにあまり好きになってもらえないし、みんなとうまくやっていけなければ、仕事ができない。やっぱり、いい仕事をしているひとは、数秒見ただけでわかるような人徳を感じさせている気がする。そう思うのは、仕事をしている人たちの世界の、ほんの一部しか見ていないからかも知れないけど。

あったかいひとになりたいんじゃない。だってもう中身はあったかいし(?)。ただ、あったかさを纏って、上手に見せられるようになりたい。ボイトレしようかな(?)。

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「つめたい/あったかい/ちきん」への2件のフィードバック

  1. 自分の自分はこういう人だという認識と、周りの自分に対するイメージにギャップがあるというのはちょっともどかしい感じがしますね。
    確かに「言葉を尽くすほど墓穴を掘りそうな」という感覚は人と話していてしばしば経験するなぁとぼんやりですが思います。

  2. 自覚されてるように、出来てるイメージの上から人に伝わってない自分を伝えるのは、言わずもがなその本人が発信してても伝わらないものですね。この文章自体からもあんま暖かさが伝わってこなくて(失礼ですみません、そんなつもり毛頭なけりゃ余計すみません)そのことが余計痛く伝わりました。

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