紅一点/あったかい/三水

何か一点を注視する趣味がある。

この一点、というのはそのままで、漠然とした一つじゃない、ある一つ一つの点のこと。
線香花火の先とか、充電中のランプとか、隣のあの子の耳に光る、真っ赤なファースト・ピアスとか。

こうなると趣味というより癖というよりみたいなもので、特に実になるようなことにはならないのだけど、気がつくと、というか気を抜くと、じーっと遊んでしまっている。
その間、外部のことは文字通り『眼中にない』ので、後で結構困ったりもする。

で、最近ハマっているのは「お香」である。

このお香というのもいろいろあるのだけれど、私の愛用はもっぱらスティックタイプ、要するにお線香である。
火と、燃えない受け皿(灰皿でも可)と、穴の空いたなにか(箱で買えば大抵は香立ても付いている)、この三つがあればいつでも焚ける、手頃なお遊び、それがお香だ。

夜、一日使い倒したスマホが充電きれにぴーぴー鳴き出した頃。

季節色とりどりの収集から一本取り出し、気に入りの香立てに挿しかける。

マッチを擦って(未だにちょっとどきどきする)、気忙しく火をうつして、また消して。

明かりを落とせば、暗闇の中にぼうっと一点、小さな火。

布団の中でぬくぬくと、何を思うでもなく、強いておつむを空にするでもなく、
じりじりと、目に追えぬほどじりじりと下降していくその一点、
ただ一点を、じっと見つめる。
この無為な時間の、なんと贅沢なことか。

この冬の趣味、一つ加えてみませんか?

0 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 50 votes, average: 0.00 out of 5 (0 投票, 平均点: 0.00,  総合点:0  |  
投票する為にはユーザ登録する必要があります。
Loading...

「紅一点/あったかい/三水」への2件のフィードバック

  1. 気になってたんですよね!お香!特に調べたりしてるわけでもないし、家汚すぎるから焚くスペースないんですけどね。
    基本的に注視するものが赤いもの、明るいものだからタイトルが紅一点にされたのかと思うのですが、もとの意味とかかってる感がないかなと思いました。それともさらにもとの意味としてだけで使ったのでしょうか?

  2. 私も1点を注視してしまうことがよくあります。関係ないですが、そうしているとよく疲れてるの?つまんないの?と言われます。そんなつもりはないのですが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。