幸福節/自分大好き/なべしま

旅の衣はすずかけの、
とはいえ露に濡れるほどでもなくぞんざい、雨天、忘れた傘の代わりに凌ぎ、
心、天にあらず、
やむなし、詮方なしと、求めるは暖。
初詣、願うところもなく、
引けば大吉、悪くて小吉。
春の芽吹きは吉兆、雪とは吉報、
季節折々、霧の立つ朝にたちこめる梅の香。
寝ぼけて道を歩き、
寝ながら段差に足を取られ、醜態も愛嬌、
ただ少し、羞恥に耐えず反省もする。
愛しき人を愛で、愛しき人に愛でられ、
天命は私に微笑み続けている。
行き着く先が、陸奥の
安達ヶ原であろうとも
我が生涯の、寸毫の針の先を切り出して、
どの一片も、幸福。
悔いなし。

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「幸福節/自分大好き/なべしま」への2件のフィードバック

  1. いつものことですが語彙力の凄さには頭が上がりません。今回は特に「我が生涯の、寸毫の針の先を切り出して」っていう表現が素晴らしいと思いました。状況を的確に表すってだけなら大して難しくなくても、「味のある言葉遣い」は、必要な時に使えるだけのストックが必要ですから。
    逆に文章のリズムはより良くできるんじゃないかと思います。例えば最後の「悔いなし」はちょっと読み上げるとあっさりしすぎな感があります。「○○節」と言われるもののリズム、雰囲気は知らないので参考程度の意見ですが。

  2. なべしまさんのこの文体好きです。私は絶対書けない。今回のテーマでもこの文体で書けるのかとびっくりしました。人生楽しそうでいいですね

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