1割の非日常/共作/なご

いざ一人暮らしを始めてみたら、日常の9割が何の変哲もないことでできていることに気づかされた。サークルに入っていないこともあるだろうが、授業も退屈なので、冬休みなんて尚のこと暇になってしまった。日々の生活の楽しみは小さな幸せを見つけることしかない。

残りの1割の変哲だが、それはふいに訪れる。東京で美術の試験を受けるために、彼女が家に遊びに来たのだ。彼女は名古屋住みなので遠恋しているわけだが、会えない時間が愛を強くすると言ったらなかなかに恥ずかしいのだが、こういうときにまざまざと実感させられる。

1日目。横浜まで来た彼女と、彼女が泊まる予定のホテルの下見をしてから、横浜駅でケーキを買い僕の家に行った。久々に会う彼女は、もともと痩せている方ではあったものの、さらに痩せて、綺麗さに磨きがかかっていた。自分で言うのもなんだが、今世界で一番きれいなのは僕の彼女で間違いないだろう。買ってきたケーキや、アイスを食べてたわいもない話をし、彼女をホテルまで送っていきその日は別れた。幸せな時間はあっという間であったが、また明日も会えると思うと一時の別れはまったく辛くはなかった。会えない時間は愛だけでなく、人も強くするのだろう。

2日目。かねてから言っていた焼肉を食べに行った。食べたいものを食べたい人と食べるのは(食べたいがゲシュタルト崩壊)かなり幸せなことだということを実感するとともに、彼女が肉をほおばる姿に自然と笑みがこぼれてしまった。なんて幸せそうで可愛い顔をしているのだろう。

3日目。会える予定ではなかったのだが、急きょ会えることとなり、パンケーキを食べに行くことにした。書いて気付いたのだが、いやはや我ながら食べることが好きなカップルなんだろう。彼女が痩せ形ということは先ほど書いたが、僕自身もかなり痩せている。がっちりした男を好む人が多いかもしれないが、彼女は痩せている僕を好きだと言ってくれる。にしても最近は痩せすぎ感が否めない。これも一人暮らしの弊害なのだろうか。
2人で2つ頼んだパンケーキを分け合いながら、これまたつきない話で盛り上がり、幸せな時間を分け合った。それでも別れの時間はやってきて、彼女を駅まで見送り、夢のような3日間は終わりを告げた。

美人は3日で飽きると言うが、彼女は3日経っても綺麗であったし、この先、3年経っても、30年経っても、世界が3周しても綺麗で居続けると思う。

彼女との時間は僕のなかでふわふわしていて、まだ宙に浮いたような感覚として残っているけれでも、今日も僕は変哲もない9割の日常を過ごしている。

原文(ほのほ)

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「1割の非日常/共作/なご」への1件のフィードバック

  1. 最初はプロット交換?をしていたということを知らずに読んでしまいました。すみませんでした。原文も読んでみたいです。

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