事例と学ぶ雪の過失責任/ぜんぶ雪のせいだ/さくら

ケース1

JRの場合

ぜんぶ雪のせいだ。

 

ケース2

朝目が覚めると雪が降っていた。かなりの大雪のために交通網がストップ。大事な会議に遅刻してしまい、大きく評価を落としてしまった。

首都圏では雪は頻繁に降るものではなく、降った場合には首都圏の交通網は大きく麻痺することは予想に難くない。そのため、雪が予想される場合には天気予報などで念入りに注意が喚起されるはずだ。まして大事な会議の前日であれば、そのようなリスクがあることは念頭に入れておかなければならない。

また運輸会社側も、こうした悪天候時にいかにして旅客を捌くべきかに関してはよく考えなければならないはずだ。遅延が起こるのは仕方がないが、代替機関と提携するなど、その損害を最小に抑える努力を怠ってはならない。

ただし、このような懸念は、雪が降る心配がなければ起り得なかったのは言うまでもない。

おおむね雪のせいだ。

 

ケース3

スキー場へ向かうツアーバスが道路に降っていた雪の影響でスリップし高速道路上で横転。死者こそ出なかったものの、複数人の旅客に骨折など大怪我を負わせてしまった。なお、バス会社は見習いドライバーのワンマン運転をさせており、事故の数日前に営業処分を受けていたばかりだった。

かなり甘く見積もっており、実際にはもっとバス会社の比率が高くてもおかしくない。事故に雪が無関係であるかといえばそうではないので、勘案している。

当バス会社の営業管理の杜撰さはかねてから指摘されており、安価なサービスと引き換えに過去にもヒヤリハットレベルの事案は確認されていた。会社も設立から数年で資本も小さく、安全基準をクリアするための設備投資も十分になされておらず、客側としても、適切な判断力があれば、値段が倍になってしまったとしても、他のバス会社を選ぶのが賢明である、と評価せざるを得ない。

以上より、このケースで雪に責任を押し付けるのはあまりにも気の毒である。

ほとんどバス会社のせいだ。

 

ケース4

センター試験を控える受験生。しかし、試験前日に大雪が街を襲う。屋根には重い雪が圧し掛かり、このまま放置すると天井や壁の軋みや変形の原因になってしまい危険だ。ここで彼の父、俺は疲れたくないからと、あろうことか試験直前の受験生を屋根の雪かきへ派遣。彼は雪かきを終えると、あまりの外の寒さや過酷な雪かきでの疲労によりダウン。結果的に試験に本調子で臨むことができなかったという。

今回のケースに関しても、雪が降らなければすべてが円満に収まったのは言うまでもないので、雪の責任はかなり重大なものと認められる。

かといって、受験を控え大事な時期である高校生に、自分は汗一つ流さずに重労働を強いた父親にも、それなりに大きな過失があることも確かだ。もしも父親が雪かきに協力していたり、別の仕事が入っていたり元々体が不自由であるなど他の判断材料があれば情状酌量の余地もあるが、今回のケースではそれはないといえる。

受験生も、室内で勉強していた時間が長かったために、防寒という点では意識が足りていなかったようだ。室内に戻ったらまず体を温め、服を着替えるなど自己管理もできたはずだが、目先の勉強を優先してしまったがためにそれを怠り、結果的にダウンしてしまっている。これは自己管理不足、慢心という減点材料となるだろう。

また、そもそも毎年このような事態が発生しているのに、この時期に試験を実施する側もいかがなものか。この日程では、大雪の降る地方の学生はそれだけで他の地方の学生と違ったスタートラインに立つことになり、不公平であるとみなしてよい。

まあ雪のせいだ。が、もっと対策ができたはずだ。

 

以上のケースから、本当に全責任を雪に押しつけても差し支えのないような状況は、そう想定されうるものではないことがわかる。全ての責任を雪に押し付けてその奥にある真理から焦点を逸らしてしまっていては、この先人類の成長はないだろう。

 

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「事例と学ぶ雪の過失責任/ぜんぶ雪のせいだ/さくら」への1件のフィードバック

  1. グラフ作成とともに、アイデア勝ちといったところでしょうか。ただ、ケース1の始まりのインパクトと説明がもっと必要だったのではないかと思います。
    面白かった一方で、アイデアにケースが負けているので、もう少し身近な事案(一般的なあるあるネタ)を使用した方がいいかと。(もしくは、もっと突拍子のない事案)

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