渇望/物申す/手汗王

俺の肉体が俺の精神を黙らせる。

最近は何かに物申す気すら湧かせてはくれない。何かに、誰かに物申す暇があるなら己がでかくなれば良い、強くなれば良い、と俺の足ををジムへと運ばせる。どんなに嫌なことがあっても、イライラしてもシャフトを握って汗を流しているその瞬間だけは有無を言わさぬ自分と向き合っている時間だ。ここ何日かは、筋トレの回数を増やしたくて仕方ない。1日一回で満足できなくなりつつあるのだ。身体が、いや、精神が鉄亜鈴を欲している。

もはや俺の頭は病気だ。食事管理に楽しみを見出しつつある。食事を減らせば身体はしぼむ。食事を増やせば身体は膨れ上がる。この、日々の些細な体重の変化、質感の違いすら朝起きるたびに、食事を取るたびに楽しみなのだ。そのため、鏡ばかり見るようになった。これをナルシストと呼ぶものもいるだろう。しかし、これはむしろ観察実験である。理工学部の彼らよりも熱心な研究をしていることになる。コンテストを意識してから、人生観がまたしても二転三転している。

これは渇望だ。トレーニングを欲している。理想の筋肉を追求したい。渇望が果てるところを知らない。なぜ惹きつけられるのかはわからないが。

そこで俺は物申す。自分自身に。ここで終わって良いのか?良いわけない。トレーニング中、最後の1セット、最後の1レップ諦めるな。この筋力、形、質感で満足してはいけない。筋肉痛が緩すぎる。人間の到達点を確かめるために、今日も俺は自らに物申し続ける。

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