彼がわからない/自分が今情熱を注いでいること/Gioru

クラシック音楽界には「3大B」と呼ばれる人たちがいる。あ、三大バカでも三大ブスでも三大ブルジョワでもないです。頭文字っぽいところからとってます。

J.S.Bach(バッハ)、Beethoven(ベートーベン)、Brahms(ブラームス)の3人のことを指し、偉大な音楽家として現代にまで名を遺した人たちである。ものすごくざっくりとまとめると、

バッハは音楽の父とも呼ばれ、カツラの人

ベートーベンは交響曲という形式に変革をもたらした、カツラじゃない人。

ではブラームスはどうなのか、と言われると何ともパッとしない。バッハとベートーベンを知っている人はかなり多いだろうが、ブラームスと聞いてもぱっと来ない人もいるのではないか。

とりあえず今残されているビジュアルを見比べるところから始めよう。

これが一般的に知られているブラームスのイメージである。カツラを被っておらず、ひげもじゃのおじさまだ。これはこれで中々威厳もあるしカッコいい。目の部分に注目してみると髭のイメージとは程遠く、どこか潤んでいるかのようにも見え、そういう面では可愛いと言えるかもしれない。

このイメージはブラームスがだいぶ年を取ってからのものと言われている。ここで見てもらいたいのが次のイメージである。

もの凄く好青年っぽい。アイデンティティのようなお鬚は影も形も存在せず、眼には鋭さがうかがえる。

1833年に生まれ、このイメージは1853年に撮られたものと言われているから20歳のブラームスである。こっちの写真が出回った方が今の観点からすると人気が出そうな気がするが果たして。

一枚目の写真からにじみ出る厳格なイメージからは想像もつかないが、ブラームス本人はとてもシャイである。自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手で、作った曲の解説を求められても嫌だったらしい。友人の人妻に恋をし、その友人が自殺してしまいその女性と親しくなっても最後まで一歩踏み出す勇気がなく生涯を独身で貫いている。あのお鬚も周りから見下されないために付けたのでは? と言われるほどである。ブラームス本人も若い頃の写真はあまり使われたくなかったそうだ。

なんだか途端に親近感というか、安心感が出てきた。そういえば先程年を取った方のブラームスの目が可愛いといったばかりであった。お鬚をはやしても隠し切れなかったようだ。

 

残された曲ではハンガリー舞曲などが有名である。

小学校や中学校で聞いたことがある人も多いのではないか。お鬚にふさわしいカッコいい曲である。もっとも、性格を知ってしまった今では強がりのようにも聞こえてしまうか。

それでもバッハやベートーベンと比べると知名度では一歩劣る。今私がオーケストラで練習をしている交響曲第2番などクラシックを嗜む人ではないと聞いたことがある人はいないと思われる。

ハッキリ言うと、他の二人と比べてどこが凄いのかよくわからない、という人である。音楽的に説明しようと思えばできるが、逆に言うとそこまでしないと伝わらない。一度聴いたら耳から離れない! みたいな二人の曲(トッカータとフーガ・交響曲第5番「運命」・交響曲第9番「合唱付き」など)みたいなインパクトがない。

音楽史的には無くてはならない大事な人ではあるが、少し調べてみるだけでもこのざまである。厳格なだけではない、そんな一面を曲の中からも探していきたい。

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