映画を見て

まず、個人的にダンサーインザダークはとても面白かったです。最初は正直、訳の分からない作品をこぞって賞賛する自称芸術肌の方々向け映画かなと思っていたので、あまり期待していなかったのですが、時間が経つにつれて夢中になって見ていました。つまらなそうだとか思ってすみませんでした。

 

いきなりラストの話になるのですが、映画を見た当日は、ラストシーンはある意味ハッピーエンドだと思っていました。でも、何日たった後思ったのですが、あれはやっぱりバッドエンドだなと。

セルマの価値観として「自分の死刑」<「息子の目を治すこと」という思いがセリフから読み取れました。また、盲目で元殺人犯になってしまった自分が生き延びることで、息子に迷惑をかけたくないという思いがあったこともわかります。そのためラストシーンでセルマが、悲劇のヒロイン「セルマ」として初めて現実世界のシーンで歌を披露し、大好きだった息子とミュージカルを思いながら死んでいったシーンも、彼女にとって自分が死ぬこは悲しむべきことではないため、ある意味でハッピーエンドだなと思った訳です。その時は。

ですがもう一度考えていたら、やっぱりバッドエンドだなと思ったんです。

なぜなら、セルマが死んだから。

普通に考えて、主人公が死ぬというオチは基本的にバッドエンドです。『アルマゲドン』も『マトリックス』も『ウルトラマンダイナ』も、みんな地球を守ったとはいえハリーやネオやアスカ・シンが死ぬシーンは悲しいでしょう(ほんとはアスカ・シン死んでないけど)。

それが『ダンサーインザダーク』では、主人公は息子の目のために死んでいくって、あまりにも悲しいというか、不条理だとは思いませんか?命に価値はつけれなくとも、息子の目のために差し出せるほど軽いものではないでしょう。

しかもさらに悲しいのが、息子のジーンが後半全く出てこなかったことです。何が悲しいかって、息子が母の思いを全く知ることができず、そしてジーンは自らの思いを母に伝えることもできなかったということです。

ジーンはもちろん母に死んでほしくなかったでしょう。出所してから手術でもよかったじゃないか、なぜ自分の前から消えることを母は選択したんだ。それがわかるまでジーンは孤独です。そんなジーンがこれから送るであろう人生は、セルマと同等に悲劇的です。さらにジーンがそのような人生を送るということは、セルマの死が無意味だったということになります。ジーンのこの先の人生をどう想像するかによって、この作品は登場人物が誰一人として救われない作品になります。ある意味ジーンの存在が、全ての悲劇の引き金なんだと思います。

誰だって、楽しいことをいっぱいしてから死にたいんです。人生を途中で強制終了させられる物語が、ハッピーエンドな訳ないんです。

なんてまとめればいいかよくわかんなくなってしまったんですが、とにかく、この映画とても面白かったってことだけは言えます。あと、おれまだ死にたくないなあと。生きててなんぼなあと、そう思います。

 

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