ふわりふわりと漂って/明るい小説/GIoru

ぽつんと出てきた私。

ふわりふわりと漂って、ゆっくりと落ちていく。

 

ぽかぽかとしているのは、お日様が私を見守っていてくれるから。私を照らして、気持ちよくしてくれるの。お日様ってすごいんだ。ある時はこの前置いてあったリンゴみたいに真っ赤で、そうかと思ったら雪みたいに真っ白な時もあるの。そんな時はちょっと気を付けないといけない。じっと見続けると、くらくらしてきちゃう。

 

そんなことを考えているうちにどんどん下に落ちていって、お日様の光が届かない、ひんやりとしたところに辿り着く。そこには、どこか私に似た、私よりもずっと大きくってモコモコした先客がいました。

 

 

「ねぇ、君はどこから来たの?」

大きなあなたは私に問いかけます。

「わたしはここで生まれたよ、あなたもここで生まれたんでしょ?」

「そうだね、気がついたここにいて……それから動いていないや!」

「えぇ! あなたって怠け者なのね!」

「そうじゃないんだよ。ただ、僕を動かしてくれる気まぐれな相棒が、まだ来てないだけだよ」

「でもそれって、あなたが怠け者じゃないって証明じゃないでしょ?」

「いいや、僕は働き者さ。なんたって取締役なのだから!」

「それはすごい! ところで何の取締役なの?」

「僕の仲間たちを呼び寄せてみんなで集まって楽しめる場所を提供しているんだ! 僕はその中心! だから取締役!」

「へぇ、じゃあみんなで集まって何をしているの?」

「それはみんな違うことをしているのさ。じっと座っているだけの奴もいれば、落ち着きがなくてあっちこっち行くやつもいる。歌を歌っている奴もいれば、みんなでピクニックにいって、仲間と掘り出し物を持ってくるやつもいるんだ」

「それは楽しそうな生活だね! 私も仲間に入れてもらっていい?」

「もちろんさ。ただ、一つ気を付けることがある」

「それってさっきの気まぐれな相棒さんのこと?」

「そうさ。あいつはとにかく気まぐれで、俺たちをバラバラにしてしまうこともあれば、もっと暮らしやすい場所に連れて行ってくれることもある。ひとりぼっちだと、しばらく地上に降りてこられないことだってあるんだ!」

「それは大変! なんとかならないの?」

「みんなでいれば怖くないよ。ひとりぼっちだからどうなるかわからない。こうやってみんなで固まっていればどんな時でも一緒さ。ここじゃない所でも、また歌を歌ってピクニックができる」

 

 

その時、キャーという悲鳴が近くから聞こえ、やがてずっと遠くへ行くように消えていきました。

「噂をすれば奴が来たぞ! さぁ、早く私の下へ!」

 

 

私はモコモコさんに引っ付いて、ぎゅっと目を閉じます。

その瞬間、ごぉっという音と共に私とモコモコさんは大勢の仲間と共に宙に飛びました。

離されないようにと私は必死でしがみつきました。仲間たちのうちでは引きはがされてしまった者たちもいたのか、悲鳴が絶えず上がります。

でもその悲鳴は、やがてキャッキャと楽しそうな声に変っているではないですか。

恐る恐る目を開けると、私たちはふわふわと空を浮かんでいます。

とてもいい眺めで、いつもは見えない銀色の上に大きな水たまりがあるのがわかります。みんな大はしゃぎです。私も大はしゃぎ。

 

空中遊泳が終わるまで、私たちの笑い声は収まりませでした。

 

やがて、だたっぴろい空間にぽつりと私たちは着陸しました。周りには物が何もありません。

 

 

「しまった、この場所はいけない!」

「どうしたの?」

「ここは気まぐれなやつよりもずっと恐ろしいやつが……」

 

 

次の瞬間私たちは肌色の5本の柱によって掴まってしまいました。

「君だけでもいいから離れなさい! ほら早く!」

「でも!」

「大丈夫。私たちの仲間は必ずどこかにいるさ! ひとりぼっちになんてならないよ」

 

ぱっとモコモコさんと分かれ、モコモコさんは四角い箱の中へ。私はまた宙に。

 

 

ふわりふわりと漂って、ゆっくりと落ちていく。

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