意外な彼の一面!/シラサキマイ/奴川

「キャー!」

 

女の子たちの黄色い悲鳴が飛び交う会場で、わたしはぎゅうぎゅう押されていた! うっかり隣のひとの足を踏んでしまって、『痛いわよこのグズ女!』なんて叫ばれてしまう。うう、ひどい…、、だってわたし、こんなところ初めてなんだもん!
突然のキス事件からはや三ヶ月。あれからはダイキくんもケンタもあんまり何もしてこなくて…。シラサキマイ、案外平穏な学校生活を送っちゃってます!

 

そんなある日、『いつもお世話になってるから』ってダイキくんがチケットをくれたの! なんのチケットだと思う??!! ダイキくんがボーカルをしてるバンドの、ワンツー…えーっとなんだっけ、そうだ! ワンマンライブ! のチケットなんだって!
わたし、バンドなんて、今まで全然キョーミ無かった。でも、ダイキくんのなら特別! だってわたし、ダイキくんのこともっともっと知りたいもん! 周りの女の人にちょっと押されちゃってるけど、ダイキくんのため頑張るんだ!
よおし頑張るぞ〜〜! って手をグーの形にしたところで、ダイキくんがステージに上がった。すると、周りの女の子たちが次々に叫ぶ。

 

「ダイキー! 大好きー!」

「こっち向いてー! ダイキー!」

 

す、すごい…。わたしはびっくりしてしまった。だってダイキくん、とーっても人気なんだもん! ダイキくん、本物の王子様だったんだ! でも、でも…。ダイキくんのかっこいい歌声を聴きながら、わたしは心の中がモヤモヤしていくのを感じていた…。

 

ダイキくんにはこんなにファンの子がいるんだ。わたしなんて、もしかしてただの遊びなのかな?? こっちにも気づいてくれないみたいだし…。

するとステージ上から、

「そこの落ち込んでるガール!」

って声が聞こえた。え? わたし?!

「そう、キミさ!」

慌てて顔を上げると、ダイキくんがこちらに向けて、手でピストルのポーズを作っている。うわ、めっちゃかっこいい! 学校にいるときは凄く礼儀正しいのに、今のダイキくんはとってもワイルドだった。うう、ドキドキする…。

このままピストルが発射されたら、わたし、どうなっちゃうの??!! お願い、これ以上かっこいいところ見せないで!! でもワイルドなダイキくんは、

「パーン!」

という掛け声と共にこちらにピストルを打ち込んじゃった。ズキューン。か、完敗です…。

 

 

うう、ドキドキした。ダイキくん、カッコよすぎるよう。ふらふらとした足取りで会場を後にしようとしたわたしは、出口の近くに見知った人を見つけて思わず叫んでしまった。

「あれ!? ケンタ!?」

「よう、遅くなるって言うから迎えに来たぜ」

え、なんでわたしが今日ライブだって知ってたの…? わたしはおそるおそる聞こうとした。そしたら、ケンタにぐいっと腕を掴まれちゃった!

「…帰るぞ」

どうしたんだろう。ケンタ、怒ってる? うう、どうしたらいいんだろう〜〜!!! 今日はいい日だと思ったのに〜〜!!!

 

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