幸あれ、私のクリスマス/クリスマス/杏仁

12月24日(日)

AM11:00
今日はクリスマスイブなのに朝からアルバイト。まあケーキ屋さんだからクリスマスバイトは仕方ないし、お客さんの幸せそうな顔を見ることができるならそれで私も満足だわ、なんて言いたいところだけれど、私が働いているのはただの居酒屋。
なんでクリスマスイブにこんな所来るの?オシャレなフレンチとか行って真ん中にちょびっと料理のってる余白多めのやつ食べろよ。クルーザーとかのってシャンパンで乾杯しろよ。
なんて事をみんなでぐちぐち言いながら働くのが実際楽しかった。

PM3:00
やっとお昼休憩になって、バイトみんなで抜け出してラーメンを食べに行った。店長がくれたお金でケーキも買ってきて、みんなでバイトが終わったら食べようね、なんて言いながらくだらない話で盛り上がる。夜からのバイトも頑張れる気がしてきた。

PM11:00
バイトが終わって、みんなでこのまま朝まで飲もうという話になった。こんなに優しくて楽しい人たちと一緒に過ごせるなら、こんなクリスマスもありだなあ。これもまた幸せなことなんだなあ、なんて実感をしながらみんなで飲み屋まで歩く、ことができたらよかったのだけれど、生憎明日は学校があるしちゃんと出席する予定しかなかったので直帰。

12月25日(月)

AM0:30
気が付けば日付を越えて、クリスマス当日になっていた。1人で歩く帰り道、街はいつも以上にキラキラしていて、クリスマスソングが流れている。大きなツリーの横を通り過ぎながら、おとぎ話の世界に迷い込んだような気分になってきた。いつもの街が今日は違って見える。夢みたい、本当に夢なんじゃないだろうか、なんて思っていたら本当に夢だったわけで。
みなとみらいでもあるまいし、駅から徒歩5分のところに住む私は、イルミネーションなんて見れるわけもないので、イヤホンで音漏れガンガンで音楽を聴きながらいつも通りの暗い路地を通って帰宅。

AM9:00
朝、目が覚めるとなんと枕元にプレゼントの包みが置いてあった。もしかしてお母さんが置いてくれたのかな。微笑ましい。やっぱり何歳になっても娘は娘。戻ってくるのは母の温もりなんだなあ、なんて。でももう私20歳なのに、お母さんったら、ふふふ。なんてことは一人暮らしの私には起こるはずもないので、いつもどおり1人で目を覚まして朝の情報番組を見ながらインスタントコーヒーを飲みながら食パンをかじる。

AM10:30
ちゃんと2限の時間に間に合うように登校して席に着く。クリスマスなのに意外とみんな授業出てるもんなんだな。一緒に授業を受けている友達と、昼はクリスマスっぽくケーキとかお菓子とか買って楽しもうよ、なんて計画を立てて、小学生みたいに昼休みを楽しみにしながら授業を受ける、ことができたらクリスマスに学校でも耐えられたんだろうなあと思いながら、ガラガラの教室に1人で座っている。彼氏の家に泊まっていて授業をサボっている友達の分の出席カードまで出してあげて、無心で授業を聞く。

PM0:30
当たり前のように、昼ご飯を一緒に食べてくれる友達はおらず、さすがにクリスマスに1人で学食に行くメンタルは持ち合わせてなかったので、仕方なくコンビニでサンドイッチとカフェオレを買った。指先の神経がなくなりそうなくらい寒かったけれど、暇潰しに学校の中をウロウロ歩き始めた。
あれ、空から冷たいものが降ってきた。ああ、今年はホワイトクリスマスなんだなあ。風情があっていいじゃないか、ロマンチック。これを誰かと一緒に共有できていたらもっと良かったのにな、なんて思いながら上を見上げたら雪でもなんでもないただの雨だったので、ただひたすらに服が濡れただけで終了。

PM6:00
気が付けばもう夕方、1日が終わろうとしていた。TwitterやInstagramを漁っていると、イルミネーションを見に行ったりオシャレなディナーに行ったり、キラキラ女子会なるものを開催していたり、と各々クリスマス感を楽しんでいる様子だった。
私のクリスマス、本当にこれでいいのか、なんて思いながら、1人で自炊するのも寂しいので、スーパーで適当に買ってきた惣菜を食べながらクリスマス特番を見る。コタツに入りながらケータイをいじっていたら、知らない間に寝落ちしていたみたいだ。

 

 

眩しい。レースのカーテンを突き破るくらいの太陽光で目が覚めた。なんだ、もう朝か。今日はなんだかとても目覚めがいい。そういえば昨日アラームかけ忘れていた気がする。ベッドの下に落ちていたケータイを拾って、画面を見る。

“12月21日(木)AM10:05”

どうしようもう10時過ぎている、早く準備しないと2限遅刻しちゃう。ドタバタしながら思い出す。ああ、不吉だった。クリスマスが近づくとこんな悪夢を見るようになるのか。こわいこわい。

AM10:20
適当メイク、一昨日と同じ服で家を飛び出した。完全に遅刻だ。まあ今日はいいか。

あーあ、現実はあんな風になりませんように。幸あれ、私のクリスマス。

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