バタフライエフェクト/奴川

映画に対して全く知識がないと言っていい私だってこのタイトルは知っていた。『いやだってシュタゲってバタフライエフェクトのパクリじゃん』というフレーズを散々聞いたことがあったからだ。

 

シュタゲについては面白いアドベンチャーゲームですという説明で済ませておくとして、多くのタイムトラベルもののパクリ元と言われる本作である。パクリ先のエンタメ作品ばかり観ていたせいで『こんなもんかあ』と思ってしまうのは本当にダメだ。作品に触れるには順序があるということが良く分かる。ただ、この映画を観てよかったな、と思うのは自分の『君の名は』に対する思い込みが解消されたということだ。

 

あの映画のラストシーンで、すれ違ったヒーローとヒロインがお互いを振り返ってしまったのが、『秒速5センチメートル』の全否定みたいで大っ嫌いだったのだ。それは大きな勘違いだった。本当にすみませんでした、どちらかっていうとあのシーンはバタフライエフェクトのラストシーンのパロディだったのか。あれもタイムトラベルものっちゃタイムトラベルものだし。でもあそこで振り返るのは、パロ元に対するリスペクトが足りないと思う。いやこれを言っちゃうとシュタゲのオチもだめなんだけども。多分、単純に私が最近の新海誠作品を苦手としているだけである。

 

このままでは『君の名は』の悪口で規定字数に行ってしまいそうなので、バタフライエフェクトの方に話を戻そう。ディレクターズ・カット版には、胎児時代にタイムリープして臍の緒によるダイナミック自殺をかますというバージョンがあるらしいが、ちょっとこれはダイナミック過ぎて良くわからない。タイムリープ先の脳に今までの記憶が移る際、あまりの情報量で鼻血が出るシステムのみたいだが胎児にそれを流し込んだらいよいよ脳が爆発しそうである。結果として劇場公開版の全てを無に返すオチで良かったんだろうとは思う。ただそう思ってしまうのも、この劇場公開版オチに近いシナリオのエンタメ作品を観まくってたからだいうのは否めない。

 

当時この映画が公開された時は『陳腐で手垢がつきまくっていたタイムトラベルものをシリアスに、斬新に仕上げた』みたいな絶賛がされていたようだ。2004年公開ともなればぼちぼちインターネットが普及しているため、当時の感想記事を何本か見ることが出来たがだいたいそんな感じである。それから10年以上経って、今度は『シリアスタイムトラベルもの』に手垢がつきまくっちゃったんだなあと言う感想を持った。好きなゲームやアニメの、あのシーンやこのシーンの元ネタらしきものを見れたのは収穫だが、それはつまり初見なのに既視感に溢れた映画だったということでもある。原典に触れてこなかった自分が悪いと言えばそれまでだ。ただ、視聴中ずっと居心地が悪かった。

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