日記/昨日、髪を切った/ふとん

昨日、髪を切った。

かなりいい感じ

2017.03.08.sun

 


 

走り抜ける就活。定期がないというのに、朝の東横線が日課になっている。

珍しくゲットした端の席で何気なく遡っていた日記アプリのあるページに、目が留まった。

 

今思えば、転機はここだった。すべての出来事の風向きが、変わったきっかけだった。

 

 


 

「次は伸ばしてみる?」

意思のない表情であいまいに頷く。

私の髪なのに、いつだってそこに私の意思が含まれることはない。

月に1度。私の髪型を決めるのは、渋谷で声をかけられてからずっとお願いしている美容師だ。

 

あの日は、おじさんに見返りなしで焼肉を食べさせてもらった帰りで、まるで地位の高い女にでもなった気分で、慣れないヒールを鳴らして歩いていた。

 

改札まで500mくらいのところだった。

「すみません、…すみません!」

背は私と同じくらいだが、細身でおしゃれな男だった。好きなタイプだった。

 

こういうとき簡単に立ち止まるのは、簡単な女みたいで、嫌なんだけど、それでも何かを期待してしまうのは、この人ごみのなかから誰かが見つけてくれるかもしれない、ずっとどこかでそう思っているからだ。

特に、いつもより少しだけ気合を入れた日は。

 

「あなたをきれいにしたいと思ったんです」

「4000円でカットカラーさせて頂きます!」

 

実際は、カットモデル依頼でもサロモのスカウトでもなく、ただの勧誘。客集め。

それだけなのに、薄っぺらいけど心をくすぐるセンスのある言葉に、数多の女子から選ばれたような気持ちになってしまうのが、女の悪いところだ。

みんな、自分はお姫様になれると。いつか突然王子様が現れて救ってもらえると、どこかで信じている。信じなきゃやってられないのだ。

 

表参道、なんておしゃれな場所に、髪を切るためだけに通うなんて、そんな意識の高い女じゃなかった。初回だけ安く切ってもらって、次からはまた近場にすればいい……。

 

と思っていたのだが。

そんなこんなで、通い続けてもうすぐ1年になる。

 

初めてのときは、安い服ばかり買っていた私にはあまりにも場違いの場所で、待っている間はずっとそわそわしていた。

 

久しぶりに会った彼は、やっぱりけっこうタイプだ。

「モデルカードあげるから」

なにやら特別感のあるカードをくれた。通い続けたのはほぼこれのせいだ。

カードがあると、35日以内に来店すれば半額になる。カットカラーの元値が14000円だから、払うのは7000円で、通えない額ではない。

 

そして、

‘興味がございましたら撮影やオーディションのご案内を致します’

この1行のせいだ。

どうして「特別」はこんなに甘い響きに聞こえるのだろう。

 

「学生だから気軽に来てほしい」

それだけが本音で、別にモデルになれるわけではなかったけど、どこかで期待をしていたのだと思う。

しかしそれだけではなく、髪型は確実にいい感じになった。

 

毎月通ううちに、話す時間が増えていった。

カラーの待ち時間も話したり、どうしても日程が合わないときは開店前に予約を入れてもらったりした。

見送りの時に10分くらい立ち話することもあった。

 

努力を怠らないこと。

いまに満足しないこと。

上を目指し続けること。

 

話の内容はいつも彼のポリシーだ。

はじめは当り障りのない話とうわべの誉め言葉ばかりだったが、半年くらい通うと自分の話をしてくれるようになった。

 

史上最速でアシスタントを卒業したこと。

声をかけられたのはスタイリストデビューの直後だったこと。

そこから史上最速でトップに上り詰めたこと。

 

ほんとかよ、と思うほどの輝かしい業績をはじめは話半分で聞いていたが、熱意と実力がともなっているからだんだんと疑いようがなくなっていった。

確実にお客さんが増え続けているのが、はた目から見ても分かったのだ。

気づけばサロンで1番若いのに、1番稼ぐ存在になっていた。

命を燃やすように生きている人に、初めて出会ったと思った。

 

自分のあこがれの人を思い浮かべるとき、彼の顔が思い浮かぶようになっていた。

恋とは違う感情だった。

面接で将来像を語るとき、彼と同じようなことを言っている自分がいた。

 

そして、この前。

「就活だから暗めで」

この一言だけの注文で、伸ばしていた髪をバッサリいかれた。色は、黒だけど真っ黒じゃないグレーだ。

表情から、これまでで一番気合を入れてくれているのがわかった。

 

「自信持って、顔出して」

長さも色も激変した自分の姿は見慣れなかったが、なんだかいい感じなのは分かった。

 

この日も私が最後の客だった。

きょうは誘われると、なんとなく分かっていた。

帰りに駐車場から入る裏道を歩いて、渋谷まで行って、一緒にラーメンを食べた。

 

この次の日からだ。彼の腕を実感させられたのは。

同じことを話しても周りの反応が違う。自分の気持ちも違う。

なんだって、信用してみるもんなのだ。

 

以下、帰りの電車で打った、浮かれた日記。

 


 

あー、あー。すごい

すごく自然に

こーいう世界がみれるのか

なんで一緒にいってくれたのかな

不思議だ

 

ずっと、こうなる日が来て欲しかったし来るような気がしてた

誘わせた。誘わせたぞ

 

去年の2月

変わったかな 私は

レベルが上がったと思う

媚びへつらってたとこから

誘わせたぞ

↑なんだこのせりふは

 

嬉しいんだけど なんか、あっけなく 知ってしまったような

依存していたな リプライセルまで買って 服も化粧品も うけるな

うけるわ!!!!うける

 

髪をとても切った

すっきりだ、すっきりさっぱり

絶対にこっちの方が、いいかんじがする

あんなにイライラしてたけども

いい1日になってしまった

 

まあ、睡眠は大事ってこと!イライラにつながる

スナックのバイトはほどほどに。

 

今日聞いたプレゼンのコツ(大事)

〇やってることを言うんじゃない 思いを言う

〇「あなた」を主語に!

〇やりたい じゃなくて やる!って言う

〇企業を客観的に見るんじゃなくて、働いてる時のことを想像して言う

 

B型。思うことが似てる

それだけなんだけど

こういう人に 考えてみれば会ったこと無かった

がむしゃらに生きる。

それを他人に言わなきゃ!

 

もうよこはまだ

 

明日も、頑張ろう 全力、がむしゃらに。

人生、終わっちゃう前に

 

2018.01.14.sun

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